【本業・慣行農法】家と農地の合わせて購入し就農!地域の人たちに助けられながら徐々に規模拡大(渡辺正幸さん)

農村への移住や就農を考えている方の中には「米づくりで食べていけるの?」「まったくの素人からでも農家になれるの?」と心配されている方も多いのではないでしょうか。

十日町市内に移住して米づくりをしている方を見ると、農業との関わり方は多様で、人によって異なります。本業にしている人だけでなく、別に仕事をしながら副業・兼業的に耕作している方も多くいます。また農法も、慣行農法から農薬や化学肥料を使わない農法など様々です。

今回は、本業・慣行農法で米づくりをしている渡辺正幸さんの「農業を始めたきっかけ」から「お金の話」「地域とのお付き合いの話」などをリアルにご紹介します。

目次

Q1.農業を始めたきっかけは?

2023年に、莇平(あざみひら)集落の高橋勝美さんに研修生として受け入れていただき、就農することになりました。

元々この集落に引っ越してきたときは、自分の食べるお米くらいは自分で作ろうかなくらいの気持ちで、農業を本業にするつもりはありませんでした。

ここで初めて食べたお米が天地がひっくり返るほど美味しかったことがきっかけで、自分でも本格的に農業をすることになりました。棚田も里山の風景も、四季折々できれいだし、こんな地域のお米づくりの文化が未来ずっと続いていってほしいと願っています。

Q2.お米づくりはどんな農法でやっているんですか?

米作りは、慣行栽培でやっています。ただし、自分の家族や友だちの子ども食べてくれているので、農薬や化学肥料はできる限り減らしています。農薬や化学肥料の使用量は特別栽培米相当になるでしょうか。

無農薬とか有機農業がより良いと言われる時代、単に「慣行」というと、逆行しているようにも見えますよね。

ただ、無農薬だと草取りなんかに手間がかかるから、耕作面積は比べるとどうしても少なくなります。高齢化で離農者が増え、昔から大事に世話されてきた農地が荒れてしまうのはとても残念なので、できる限り土地を担える農法として、自分は慣行農法を選んでいます。

また、自分の知人たちのような一般の家庭の主食米になってほしいんですよね。除草や防草のために大規模に機械化するのも手かもしれないけど、いずれにしろ、直販のお米の値段は上げないとならなくなって・・。

お金持ちさんだけのためにお米を作りたいとは思わないので、購入しやすい価格に抑えることも重要なんです。

Q3.農業を始めるにあたって農地やお金はどうしましたか?

はじめは家屋と合わせて農地を購入しました。その後、補助金や離農者の農地や施設を借りるなど工夫しています最初は買った家屋についてきた田んぼは四反歩くらいです。そこを主な教室にして高橋さんにイロハを教えていただきました。

また当面の生活資金として、農水省の青年就農給付金(現:農業次世代人材投資資金)という制度を七年間活用しました。現在は離農した方の農地や施設をお借りして、農業収入も増えてきましたね!

冬の間はスキー場でアルバイトしています。その仕事も集落の方に紹介していただいて。ほんと最初から今もなお、地域の皆さんに助けていただきながら生きています。

Q4.お米の販売方法は?

ネットとかで不特定多数に売るのでなく、ご縁があった方々、紹介等で繋がれた方々が、今のお客さまです。お米を送る度に手紙を書いてみたり、永くお付き合い頂ける関係ができたらいいなと願ってます。

今は直販が収穫量の三分の一くらいまで増えました。将来、三分の二くらいまで直販を伸ばしたいと考えています。

またパッケージの検討やホームページの作成、公式LINEアカウント作るなど、農作業のない冬の間に仕込みをしています。

Q5.就農するにあたって難しかったことは?

始めは色々と心配しました。集落の方から「おまえ、本当に覚悟あるのか」って聞かれることもありましたが、何を覚悟すべきなのかもわかりませんでした。でも地域の皆さんに支えてもらって、心配は少しずつ減っていっています。

難しかったことは、強いて言えば、体力面(身体の使い方など)や、生活のペースに最初はなかなかついて行けなかったことですね。

Q6.今後の展望は?

自分みたいな就農者をこの地域に招き入れることですね おいしいお米づくりを軸としたこの地域にしかない文化や慣習を守りたいという気持ちが強いです。例えば、雪国でかつ農作業が多いから、助け合いの慣習や仕組みなどです。自分は東京にしばらく住んでいたから身に沁みてわかります。

一人でも多くの人がこの地域の棚田でお米を作りながら一緒に暮らしを作っていくことで、大切な文化や価値をずっと残し守っていきたいと思いますね!

今いる地域の父ちゃん・母ちゃん・じいさん・ばあさんたちが皆で笑って楽しんでるこの雰囲気を継いで、ずっと残していきたいなぁと願ってます。

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この記事を書いた人

にいがたイナカレッジ事務局

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