〜日本家屋のシェアハウス、「ともや」体験談〜【川畑和愛】

東京から参加した早稲田大学社会科学部3年の川畑和愛(ともえ)といいます。ぜひよかったらともちゃんと呼んでください。ともやのみんなからはそう呼ばれています。

 大学3年。就職活動の真っ只中。東京での暮らしは椅子に座ってパソコンと向き合うばかり。そんな私のトビラプロジェクトでの目標は「自然体で感じる!」こと。日本家屋のシェアハウス「ともや」で感じた些細なことを日記のようにつづれたらなぁと、、、。興味を持ってくださった方、どうぞ最後までお付き合いください。

目次

1日目~3日目

新潟駅から車で1時間、「ともや」の玄関を開けると、ホストの将太さんとかんなさんがトビラ参加者の私たちを元気よく迎えてくれました。笑顔の2人に、初めての人に会う緊張はどこへやら、お会いできて嬉しい気持ちが湧き上がりました。

 さて、「ともや」に足を踏み入れてまず初めに感じたのは、床の心地良さ。滑らかな床板に足が吸い付き、気持ち良い!そして、床を軋ませながら案内された部屋に進み、部屋のドアを開けると、畳の香りが鼻の奥まで広がりました。おばあちゃん家や茶道部の茶室で感じたことのあるその匂いは、これから始まるともやでの暮らしに安心感を与えてくれました。

 1日目の夜ご飯には、将太さんが大きなフライパンでアラビアータを作ってくださり、お腹いっぱい。3人目のホストであるゆき姉さんとも初めましてをして楽しくおしゃべり。2日目「はざ場づくり」に備えてたっぷり睡眠をいただきました。

2日目

 コケコッコー。にわとりの鳴き声で目が覚めました。、、、というのは嘘で、しっかりと携帯のアラームで起きたのですが、「ともや」にはかんなさんが飼っているにわとりがいるので、朝から大音量の「コケコッコー」を聞くことができます。

 さて、今日の予定は1日目でも話した、はざ場作り。はざ場とは収穫した稲穂を干すための土台です。竹を切って、節を落とし、材料となる棒を作ってはざ場を組み立てます。慣れない作業に汗はだらだら、腕や足も疲労マックスでしたが、かんなさんが出してくれた、お手製梅ジュースの美味しさに癒されその日の作業を終えました。みなさんも、将太さんのお手伝いをして美味しい梅ジュースにありつきましょう!

 はざ場作りの後は、お昼ご飯にそうめんをいただき満腹に。そして、眠気に襲われお昼寝タイム。畳に敷いたお布団の上で体力を回復させました。ちなみにおすすめ昼寝スポットはともやの「居間」。ともやの居間は居心地マックス!みなさんもかわいいうさちゃんクッションを傍らに、お昼寝してみては?風に揺られる風鈴の音、畳の匂い、柔らかく当たる日差し。この気持ちよさを知って欲しい!!

 夜ご飯にはトビラ仲間のたけちゃんと、お釜を使ってご飯を炊きました。お米を水に浸して15分、お釜を強火にかけて5分、弱火にして10分、火を止めて10分蒸らしたら出来上がり。意外と簡単に炊けるのです。ふっくらつやつやご飯、美味しいですよ〜。

3日目

 コケコッコー。3日目!そろそろともやでの生活に慣れてきました。今日は、朝から将太さんと有機農家をされている柳田さんの畑におじゃまして、お手伝いをしたのち野菜とフルーツをいただきました。そして、もらった野菜を使ってピザパーティー!今度はともやの裏にある段原さん(ご近所のきさくなおじさん)の畑におじゃまして、ピザ釜でピザをじゃんじゃか焼きました。いろんな方にお世話になりながら作ったピザ、口に頬張るとなんだか感動的な気分に。企画してくれた将太さんとかんなさんありがとう。

 さて、ピザパーティーで満腹になったトビラメンバーですが、ともやにきてから体を動かす機会が増えたので、夜になるとお腹はしっかり空いてきます。そこで、夜ご飯に茄子炒めを準備していると、、、ガラガラガラっ。将太さんとカンナさんのお友達、なおきさんが煮物の入った鍋を持参してやってきました。ともやには、こうしてふらっとお友達が来ることがよくあるそうです。なおきさんも含めた3日目の夜ご飯は、居間の机に茄子炒めと煮物が並んで豪華になりました。みんなで居間を取り囲んで楽しくおしゃべりしながら、夜を過ごしましたとさ。

4日目~7日目

コケコッコー。4日目!今日はのんびりした朝から1日が始まりました。そこで、気ままに過ごして見つけたともやのおすすめポイントを紹介していきますね。たくさんあるのでしっかりついてきてください!

 1つ目は、居間の障子。素敵な飾りが居間のアクセントに。日が差し込む午前中には、障子が息をしているかのように、飾りが活き活きと浮き上がります。

2つ目は、玄関の天井。ふと見上げると、模様があしらわれています。いろんな人を出迎えるともやの玄関。そんな空間に自然と温かみを添えているように感じるのは気のせいでしょうか。

 3つ目は、台所から見える山の景色。天気の良い日は、開放的な気分を感じながら料理を楽しめます。外をみながら、みんなでお料理、わきあいあい。

4つ目は、玄関から入って右側に伸びる廊下のくつろぎスポット。座り心地の良い椅子と、ハンモックが安らぎを与えてくれます。ある日の朝、将太さんとカンナさんがくつろぎスポットで気持ちよさそうに朝ごはんを食べるのを目撃し、次の日には真似をしてくつろぎスポットで、ぽかぽか、ぬくぬくしながらコーヒーをいただきました。

 5つ目は、日本家屋に馴染む素敵な食器類。美味しいご飯を作ったら、素敵な食器に盛って食べたい!そんな望みを叶えてくれる、ともやの豊富でかわいい食器たち。食欲を味のみならず見た目でも満たしてくれます。

6つ目は、洋間に置かれた本棚。なかなか、難しい本が置かれていて、一冊も手に取ることのなかった筆者ですが、本が置かれている空間は大好きなのです。本棚の横に置かれた、ゴリラくんもじわる、、、通るたびにこっちをみているような、、、。

 さぁて、ともやの「感じ」は伝わったかな?ドキドキドキ、笑。きっと、ともやの良さはもっとあるはず。そして、みんなそれぞれ感じることは違うはず。それは、ともやに訪れたときに分かるはず、、、。

5日目

コケコッコー。5日目!朝から雨がしとしと、こういう日も気持ちが落ち着いていいですね。ガラガラガラっ、、、そんな日にともやに訪れたのは、長谷川ご夫妻。きのこ博士のゆうたさんと山菜博士のゆきえさんです。ともやの居間できのこの写真を見せてもらったり、雨上がりにともやの裏で食べれる草を教えてもらったり、新鮮な趣味の世界を垣間見ました。

 お昼ご飯は、ご夫妻と一緒にきのこ汁と山菜の天ぷら、そして焼きおにぎりを作ってたべました。焼きおにぎりには、ゆうたさんお手製の魚醤をつけて炙ったのですが、これがなんともう、美味しいのなんの。作り方を教わったので、家でも作れたらな。

 ガラガラガラっ、、、今日は来客が多いともや。夜ご飯の前には、少しの間出かけていた住人の京子ちゃんが帰ってきました。そして、ぶどう農家の平間さんがぶどうをお土産に持って訪れました。それから最後に、屋久島からひまちゃんがやって来ました。ともやの居間には、私を含めたトビラ仲間の3人と、将太さん、カンナさん、ゆき姉さん、京子ちゃん、平間さん、ひまちゃんがぎゅっと集まって賑やかな夜ご飯に。料理上手のゆき姉さんに教わって作った揚げ出し豆腐と将太さんが作ったオムレツ、平間さんが作った野菜炒め、もらった野菜で作ったピザとなすの揚げ浸しが並んで机の上も賑やか。その日に出会った人と距離を近くして会話する。ともやにはそんな空間がふいに訪れます。

6日目

コケコッコー。6日目!なんと、今日はこのコケコッコーで初めて目を覚ました記念日です。携帯のアラーム以外で起きる朝は久しぶり。気持ちのいい朝だー!

 顔を洗って台所に行くと、いい匂いが、、、。ゆき姉さんとひまちゃんが、今日の一大イベント「稲刈り」のために、お昼ご飯の豚汁とおにぎりを朝早くから作っていました。そのまま混ざっておにぎりをにぎにぎ。にぎにぎ。にぎにぎ。

 朝ごはんをそれぞれ軽く済ませたら、稲刈りへ。裏の田んぼにみんなが集合してやる気を入れたら、いざ開始。9時から17時までお昼ご飯休憩や小休憩をはさみながら作業。ひたすら稲を刈って縛ることに夢中になっていたら、将太さんから「体育会」の称号をいただきました。

稲刈りを終えたら、みんなで温泉に行き、1日の疲れと汚れを落としてさっぱり。お風呂上がりに夜道を並んで歩きながら、なんだか修学旅行みたいだな、なんて思ったりして。昨日あったばかりの人とも、ともやでの共同作業を通して仲間みたいになれる。なんだかいいな〜。温泉であったまった体みたいに、心もぽかぽか。

7日目

 コケコッコー。ついに7日目!ともやでの生活を満喫できる最後の日。

 朝起きたら、まずは、お家に帰るひまちゃんとマティアス、それからお出かけするゆき姉さんとお別れを。それから、小富士屋さんというお菓子屋さんで家族のお土産を買いに行き、土日祝限定の観光バスを利用して隣の村の弥彦神社にお参りへ。それからバスに乗ったまま、海岸をぐるりと一周。とりあえず観光を詰め込みました。

 午後にはともやから歩いて3分の「いわむろや」という観光施設で開催されている「いわむロック」というイベントへ、トビラ仲間のなっちゃんと京子ちゃんと行きました。山や田んぼを背景に、開放感ある歌が駆け抜けていき、全身で音楽を楽しめるイベントです。

 一日、観光を楽しんだあとの最後の夜は、焼きそばとお鍋を作ってみんなで晩酌をしながら話し込みました。あっという間の1週間。だけど、ともやのみんなとは深い話ができる仲になれました。帰るのが寂しいよぉ〜。

最後に

 どうでしたか?ともやで過ごしてみたくなりましたか?筆者が感じたともやでの生活の魅力が一部分でも伝わっていたら嬉しいです。

 振り返ってみたら、ともやでの生活には心温まる瞬間が詰まっていました。ともやに訪れる人は、それぞれの色をした体験を持つ素敵な人たちでした。そして、筆者も、ふいにふらりと現れる「ともやのふらり人」になって、集まった人と自身の経験を共有できるようになれたらいいなと思っています。 

 悩み事を抱えている人、何かしたい気持ちはあるけれど「何か」が分からない人、日々の日常を忘れて新鮮さを感じたい人など、、、。ともやに来たら、キラリとひかるヒントが見つかるかもしれません。そして、いつか、、ともやの「住人」や「ふらり人」になって、ともやでつながる人と仲間になってみませんか。

 

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この記事を書いた人

にいがたイナカレッジ事務局

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