参加者体験記【早瀬知佳】

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大学3年生、夏休みの1ヶ月

わたしは、新潟県村上市の大毎(オオゴト)集落というところでインターンをさせていただきました。大毎集落は、120世帯300人くらいの人が暮らす小さな集落です。

大きな古民家が立ち並び、名水100選にも選ばれた湧き水がおいしくて、おしゃべり大好きな地元の人たちの方言が飛び交う、the 田舎。

「まるでサマーウォーズだ」と何度思ったことでしょう。

古民家シェアハウス生活スタート!

東京、千葉、静岡から集まった私たちのなんだかんだバランスの良い暮らし。

シェアハウス経験アリ、田舎大好きなわたしは、始めましてのその前から最後まで全く不安がなくずっと楽しく過ごすことが出来ました。

大毎集落の最寄り駅までは車で15分、最も近いスーパーはなんとお隣の山形県に入るという場所です。私たちは車なし生活でしたが、地域の総代(村長のような役職)やインターン運営の方々、ご近所さんまで総出で日々生活のサポートをしていただきました。

シェアハウスには、シャンプーから洗剤、タオル、お米に自家製味噌まで用意してくださっていて、初日から至れり尽くせり。

さらには、毎日地域の方が誰かしら「おはよー」と訪ねてきてくれる毎日でした。

大毎集落の人たちは、とにかく温かい。

そして自分たちの暮らしを愛しているようでした。

春にやる畑仕事、夏の大変さ、秋の収穫、冬の楽しみを知っている皆さんは、とても健康で、幸せそうに笑う姿が印象に残っています。

お水、お米、野菜、卵、魚、何を食べてもおいしい。手作りの山葡萄ジュース、しそジュース、梅ジュースは暑い夏の日々を乗り切るには欠かせないものでした。栃もちや灰汁笹巻といったこの集落の伝統的なお菓子は、集落のおばあちゃんの出来立てが一番おいしかったです。たくさんおいしいものを食べさせていただきました。

そんなこの地域の魅力を丸ごと詰め込んだ冊子を作ることが、このインターンの目標です。

誰に何を伝えたいのか、切り取りたいのはどの場面なのか、私たちが実際に体験して感じたことをどのように表現するのか、たくさん考えて作りました。

ローカルテレビにも取材していただいて、ちょっとドキドキしました(笑)

この一か月、とても充実していました。

インターンが終わって帰宅してしばらくしてからも、大毎のおじちゃんがLINEをくれます。文字を打つのは遅いし、使い方がわからないっていつも言っていたのに、それでも連絡をしようと思ってくれることがうれしくてたまりません。

直感で申し込んで、勢いで飛び込んだ場所だけど、

ここに来ないという選択肢はなかったな、と今振り返っても思います。

大毎での思い出

「暮らせばわかるよ」と簡単に言いたくなってしまう、魅力あふれる地域でした。

うまく言葉にできないけど、なんか潤いがあります。

すごく印象に残っている一人のおばあちゃんがいます。出会いは道端で、「いつでも遊びにおいで」と言ってくれるので、その言葉をそのまま信じて後日おうちに行ってみました。すると、来たか来たかというように微笑み「うちにあがって一服していけ」というのです。

おばあちゃんは93歳、とっても元気です。

立派なおうちを見せてくれて、亡き旦那さんの功績や自分の思い出を語ってくれました。

そして「ここはいいところだ、これも思い出だ」と繰り返しいうのです。

わたしは、この言葉、方言の独特な話し方が大好きです。

そして、初対面の私たちのためにお仏壇のメロンを切ってくれるし、帰りには「もっていけ」と畑のネギを力いっぱい引っこ抜いてくれました。

いくらでも、地域の皆さんとの思い出がよみがえってきます。

お隣さんに晩酌に誘われて行ってみると、ビールが止まらない。1センチ飲むと1センチ注いでもらえるというおもてなしの精神。このお隣さんとは、とっても仲良しで、イノシシを捌いて試食会をしたり、ミョウガの収穫にかり出されたり、ちょっと遠くのお蕎麦の名店に連れて行ってもらったり、楽しい思い出をたくさんくれました。

ほかにも、私たちが鯉料理を食べたことがないということから、自分の家の池に泳いでいる鯉を捌いてくれる人もいました(笑)

あとは、海に沈む夕日が見えるレストランに連れて行ってもらったけど、2回チャレンジしても途中から曇ってしまってなかなか見られなくて、いつかのリベンジを約束してきたりもしました。

この集落の魅力は、人にあると思います。

惜しみないおもてなしの心が、本当に心の底からうれしかったです。

「ここはいいところだ」

私たちは一時的なインターン生ではなくて、これから先もずっと関わっていく大毎集落の一員にしてもらえました。また会いに行くからね、恩返しをさせてほしいです。

感じたこと、考えたこと

1か月間の大毎集落での暮らしは、とても貴重な経験でした。

わたしは「田舎がすき」としょっちゅう口にしてしまうのですが、実際田舎らしい田舎ってどんなものなのだろうか、どんな暮らし方が理想なのか、と思考を深める時間に使うことが出来ました。

そして、働き者のおじいちゃんたちを見て、ものすごくあこがれを持ちました。

話を聞いていると、これまでの人生経験からか、この時期にはこれをして、天気がこうだからこの順番で作業した方がいいとか、近所の人と協力して地域のために道を補修したりハチの巣を撤去したりとか、こんなことまで出来ちゃうの?みたいな作業を頭でサクッと考えて、信じられないほどのパワーと体力で毎日こなしていきます。しかも、何事にも詳しいし、ずっと昔の記憶まで覚えているのです。植物の名前をたくさん教えてもらい、集落の昔の生活や出来事まで聞かせてくれました。

就活を1年後に控えているので、仕事と人生についていろいろ考えていたけど、

「健康っていいな、幸せって表情からわかるな」

なんてシンプルなことが、心と体にガツンときました。

あとは、ハウスメイトがすごい人たちだった。在籍している大学がすごいっていうこともあったのですが、それ以上に一緒に活動していてなんか人間的にすごいなあとしか言えないような二人でした。一人は、農村について、もう一人はスマートシティについて研究しているそうで、将来きっとどこかで私の生活を支えてくれそうです(笑)

始めましての時から、居心地よかったな。生活周りのことを進んでやってくれて、たくさんお世話になりました。集落での思い出が濃すぎてうまく伝えられないけど、三人でご飯を食べて、だらだらとしょうもない話をする生活がすごく楽しかったです。ありがとうね!

写真を見返していたら何時間も思い出に浸ってしまいそうになります。これから先もわたしを支えてくれそうな思い出です。

将来に向かって着実に進めているといいな。みんなも元気で楽しく暮らしているといいな。

最後に

関わってくださった皆様、本当にありがとうございました。幸せな1か月間でした。

わたしは田舎にかかわる仕事に就きたいと思っています。それは大毎集落にかかわるところかもしれないし、日本のどっかかもしれないけど、どこかで誰かのために一生懸命に働きたいと思います。全部曖昧だけど、小さいやりたいことがあふれてきているので、少しずつ形にできるように頑張ろうと思います。

またすぐに遊びに行きます!また会える日を楽しみにしています。皆さんお元気で!!

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この記事を書いた人

にいがたイナカレッジ事務局

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