「できそう」なことをできるだけ。【和田ゆかり】

なんか、できそう

3年生の夏、企業インターンに参加する同学年の友人たち。彼らを見て私も何かしなきゃ、と焦りを感じていました。
でも、企業に持って行けるような優れた作品も手元に無いし、そもそも自分に合う企業インターンを探すの面倒だし、、、

私には企業インターン、無理だなぁ

そんな気持ちで何もしないまま夏を迎えようとしていた私に友人からイナカレッジのインターンに参加しないか、という話が転がってきました。

聞けば、以前その友人に誘われて参加したイベントで知り合った方が地域コーディネーターとして携わってくれるとのこと。

なんか、できそう

話を聞いて最初にそう思いました。

 

当時、企業インターンに参加する準備の過程で挫折してなんとなく劣等感を感じていた私は、「なんか、できそう」なことをやり遂げて自信をつけたかったのです。すごく頑張る、ことは今の自分には難しいから、ちょっと頑張ってできることをして人に喜んでもらえる環境を求めていたのだと思います。

釜谷という地域で、一ヶ月住み、梅についての小冊子をつくる。というミッション

実家は釜谷よりももっと田舎だったし虫は慣れっこ。絶対お年寄り甘やかしてくれるし。

人と住むのも苦じゃない。一ヶ月の間古民家に住めるの最高!!

支えてくれるコーディネーターさんは知り合いだし楽しそう!

小冊子、、、まぁ、大学で友人も個人的につくってたしなんとかなりそう。

なんか、できそう

そんな感じで、できそう、なことがたまたま目の前に転がってきたので、私にとって参加するハードルはかなり低かったです。お年寄りに甘やかされながらのどかな場所で夏の間人の温かさを感じて暮らしを営みたい、という気持ちで深く考えずに参加を決めました。

地域に馴染むまで

 

冊子づくりのネタ集めのためにとにかく一週目、二週目は釜谷になじむことに専念していた気がします。とくによく面倒を見てくださった二軒隣のご夫婦は地域と関わることができるようにプロジェクトが始まるとすぐに挨拶回りや話をしに釜谷中を連れ回してくれました。そこで感じたのは回覧板のすさまじい影響力。

実は私たちがこのインターンを行うことを顔写真付きのお知らせにして、コーディネーターの方が回覧板で回しておいてくれたのです。家の奥に入っていったかと思うとそのお知らせを持ってきて「あなた方が例の!」とにこにこして受け入れたくれる方が沢山いらっしゃいました。大学生が三人釜谷で住む、ということは釜谷の中で大ニュースだったみたいです。

 

挨拶回りが一通り終わった数日後、道ですれ違ったときに声をかけてくれる方や、朝ご飯にとおはぎやおにぎりを届けてくれる方が増えてきました。

こちらからも何か動かないと!と、一緒に暮らす二人のインターン生と共に、初めてある一軒のお宅のインターホンを鳴らしたときはかなり緊張していたのを覚えています。話のネタに困りすぎて最初の一週間はどのお宅を訪ねる時も、「冊子の取材で、、、」という話し始めだったような気がします。冊子の取材ももちろんでしたが、ただ仲良くなりたいという想いで三人で毎回緊張しながらいろんなお宅のインターホンを押しておそるおそる「ごめんくださーい」と扉から顔をのぞかせていました。

釜谷のお祭りに参加したり、おばあちゃんたちのお茶会に参加したり、釜谷の方々と接する内にどんどん地域に馴染んでいく感覚を覚えていきました。

好意に大いに甘える

 

インターン生同士で釜谷で住む中で決めたことがあります。

 

それは、好意には大いに甘える、ということ

好意に甘えるというコミュニケーションはかなり地域の方々と私たちを密接な関係にしてくれたように思います。

 

・お風呂を貸して頂く

・夕飯をごちそうして貰う

・お酒を一緒に飲む

・野菜や果物を頂く

・電波を借りる

 

本当に沢山甘やかしてもらいました。

正直、最初に書いたように田舎に来たしお年寄りには甘やかして貰えるだろうな、という予想はしていました。

 

しかし、予想外だったのは私の中で最初は人の温かさを感じる生活のついでにつくる、というような位置づけでそんなに真剣に考えられていなかった冊子についての想いが変わったこと。

 

地域の方々の思いやりに触れることによってこの集落のいいところや暮らしの様子を他の人にも知ってほしい、それを冊子に落とし込みたいという想い。その想いは同じ時間を過ごした二人のインターン生も同じでした。

 

最初は地域の梅についての冊子をつくるというお題だったのですが、コーディネーターの方々と話し合いをし、最終的には釜谷の暮らしにフィーチャーした冊子にすることになりました。

 

どういうかたちの冊子にすればより相手に伝わるのかみんなで頭を悩ませながら真剣に考えることが出来たのは本当に釜谷のことが大好きになったから。そんな大好きな場所と人が出来たのは釜谷の人や支えてくれた方々に思いやりを持って接してもらうことが多かったからだと実感した一ヶ月でした。

インターンに参加して

 

正直、なんか、できそう。と感じた私の勘は大当たりでした。

でも、「なんか、できそう」なことにただ取り組んだ以上の達成感や充実感を感じます。

 

それは、同じ時間を共にしたインターン生との濃い一ヶ月間の暮らし、地域の方々の想いに触れる機会、沢山の方々からの思いやり、そして大好きな場所ができたこと。

 

予想の何倍もの密度であらゆる方向から、日常の生活で忘れていた感覚が私を包み込んでくれました。

 

なんか、できそう

 

そう思って踏み出してみることは悪いことじゃないな、と感じました。

できそう、なことの中で見つけた真剣になれるものを大切にしていこう、そう思えたインターンでした。

 

これからは「なんか、できそう」と思ったことには迷わずどんどん飛び込んでいきたいと思います。

 

今回、好きな場所や人が出来て、それをどう伝えるのか頭を悩ませながら最終的に冊子として完成させることが出来たのはやっぱり地域で一ヶ月の間生活を営んだからだと思います。

 

地域で暮らさなければわからない経験を沢山出来たのは本当に良かったです。

地域で私たちが暮らせる土壌を築いてくれたコーディネーターのみなさんや一緒に楽しく暮らしてくれた二人にが居てこそのインターンでした。ありがとうございました。