文教大学3年の甲斐美紀と申します。
私は日本酒に興味があり、日本酒に関するインターンを探している時ににいがたイナカレッジさんと出会いました。そしてにいがたイナカレッジのスタッフの方に1週間の「オーダーメイドインターン」を組んでいただきました。
インターン日程の中には酒蔵さんや日本酒で企画をする方など様々なかかわり方をしている方々とお話しする機会を作ってもらいました。
日本酒について
2,3日目に栃尾にある越銘醸という酒蔵さんにお世話になりました。
越銘醸は1845年から続く酒蔵で、新潟の中でも豪雪地にあります。そのため寒暖の差がなく酒造りには恵まれた環境です。手作りにこだわり、手間暇をかけてお酒造りをしていて伝統を守り続けているところがとても素敵な酒蔵でした。
行った時期が夏だったので酒作りはやっていませんでしたが、実際に酒蔵内の道具を見て酒造りの工程を丁寧に教えてくださりました。
他にも質問に細かく答えてくださったため日本酒への知識が深まり、とても充実した日になりました。そのように知識が増えることがとても楽しくもっと吸収したいという意欲がわきました。
日本酒についての勉強のほかにも、利き酒を行ってくださったり、酒蔵での日々の生活や参加しているイベントについてなど積極的にお話をしてくださったことが、温かく嬉しかったです。
2日目は兼業農家をやってらっしゃる安東さんにいくつかの種類のコメの田んぼや農業用の重機など栃尾を案内していただきました。その中でも棚田が印象に残りました。
重機を使えない棚田は手植えですることもあり、田植えや稲刈り体験イベントとして人を集めるのだそうです。そういった活動は地域の高齢化や人口の少なさのカバーになり、さらに地域おこしにもつながります。
そのような工夫や協力によって地域の生活を大切にしているのだと感じました。栃尾は豪雪地帯ということもあり地域のつながりが強く、はきはきした人が多かったことが印象に残りました。
4日目にFARM8の樺沢さんとお話しさせていただきました。樺沢さんから日本酒を世界に広めることや、日本酒を題材にした企画を作っているお話を伺いました。
今の酒蔵に必要なプロモーションや、目標づくりなど日本酒を「地域のお酒」で終わらせないことに関するお話などを聞き、とても興味深く感じました。日本酒への携わり方の1つとして参考になりました。また樺沢さんのそのようなアイデアを次々と生み出し進む姿勢に感銘を受けました。
自分の可能性を広げていくことや、できることを増やすことに努力していきたくなりました。
今回のお酒に関わる人に出会う機会を通して
1番変化したことは選択肢が増えたことです。
「お酒を造る」や「お酒に携わる」ことだけに固執せず今まで視野に入れていなかった仕事にも視野を広げることが自分の可能性を伸ばすのではないかと考えました。
いろんな方からお話を伺ううちに生き方や仕事の選択肢は多く、それは進んで学びに行くべきだと感じました。
それはあった人の話をすべて正しいと受け身で聞くこととは違います。ただ、今まで自分のできることややりたいことを決めつけて考えていたことに気づけたことが大きな変化になりました。
朝ごはん会について
お酒がテーマの部分とは異なりましたが、せっかく来ているのだからということで、新潟で2回朝ごはん会に参加させていただきました。
内野での朝ごはん会は1人1品ずつ持ち寄るというもので、それぞれその料理について説明していくことがとても面白く感じました。誰が作ったか、どのような状況からその料理を持ってくることになったのかなどを聞くことでその人、その料理に興味がわき、食事が楽しくなりました。
その料理や人について想像しながら食べるのは楽しかったです。また初対面の人とでも料理一つ通すだけで自然に話せたことに驚きました。
まきどき村では畑で野菜をとり、お釜でコメを炊きました。おなかが減っていて早く食べたい、大変だという気持ちもありましたが料理について皆が話しながら1つの食卓を作り上げる面白さに気づきました。「食べること」が楽しみと感じました。
「食べること」に面白みや丁寧さを感じることは私の生活の中には滅多になかったので新鮮ですし、朝ごはんをたまには丁寧にとってみたいと感じました。
毎日頑張って食事する、と自分に課すものではなく、息抜きのような心に余裕を持てるような時間をとること、が大切なのだと感じました。
ほかのインターン生について
イナカレッジでは1か月のインターンもやっていて、私はそこに参加する他のインターン生に興味がありました。
その人たちが「一か月何を学ぶ為に参加したのか」「将来は何をしたいと考えているのか」を知りたかったのです。そこで1ヶ月インターンの初日に行われた歓迎会に同席させていただきました。
実際会ってみると、1番に地域の方の優しさをまっすぐ素直に受け取り積極的に関わろうとすることが印象に残りました。その姿勢は見習っていきたいと感じました。
インターンに参加した理由は就活のためじゃなく、暮らしに興味がある、などの理由でした。私は自分の選択で1か月を決めて、自分たちの時間を作ろうと意欲的なところにすごいと思いました。
私は初日しか見ていないので、もちろんそれだけでなく葛藤や変化があったと思うので、1ヶ月を終えての感想や考えなどに興味を持ちました。
自分でインターンを決めたこと、また感謝について
私は今まで1人で何かを決めてやり通したことがなかったです。
しかし今回の1週間は長距離の移動やその日の予定を決めることまで自力でした。自分の時間を自分で選択してその日を作ることがとてもワクワクして楽しく感じました。
周りの方の助けもあってこそですが、そういった1週間を自分が作れたことに驚きました。そのことは自信につながりましたし、もっと自分のできることを広げたいと考えるようになりました。
新潟でかかわった方はそうやって生きている方が多く感じられました。
いつもそうではないかもしれないけど、工夫して自分がいいと思う時間を作り出せる人になりたいです。
また、全体を通して感謝の気持ちが常にありました。新潟での1週間を私のために提案して作ってくださったり、突然初対面で来た私に、皆さん「ここに行こう」「あれをしたら楽しいよ」と提案をくれたりと本当にやさしく接してくださいました。
ほんの少しの関わりでも親切にしてくださった方も多く、驚きと感動でいっぱいでした。
そのように人のことを考えられることは誰にでもできることではないと思います。今回いろんなことを詰め込んだスケジュールの中で目の前の人と向き合うことでいっぱいいっぱいになってしまいました。
1つ1つの優しさにお礼をおろそかにしてしまったことを後悔しています。だからこそ、今向き合っている人について最善を考え行動していける人間になりたいと強く感じました。
今回のインターンを通して、お酒の事や仕事のことなど知識が深められただけでなく、その地域に行ってみて感じられたことが多くありました。
その中で「自分自身を決めつけないこと」や「目の前のことを大切にすること」を学びました。
インターン前はいくつか曖昧には決めていたものの、具体的な将来の夢や学びたいことを決めておらず「何も学べずに帰るのではないか」と不安に思っていました。
しかし、その分何にでも興味をもって過ごすことができました。
そのことから「何も決めていない状態」は悪いことではなく、心の余裕をもって「何でも吸収する」ことで学びたいことや興味関心の幅が広がると感じました。
いろんなことを受け止めるだけでは取捨選択が大変になると思います。
自分はこう生きるべきだ、こんな人間だ、と決めつけて苦手分野を勝手に作るのではなく、余裕を持った柔軟な考えを大切にしていきたいです。
また、社会人になっても理想を高く決めて、それに追いつけない自分に焦ることがないように、目も前の自分を大切にする時間を作りたいと感じました。
それが自分の人生を豊かにするのではないでしょうか。
本当に1週間、ありがとうございました。
甲斐美紀