ぎゅっと詰まった1カ月【小林夕夏】

2018年夏、胎内市で「ムラとマチを繋ぐ拠点づくり 里の駅OPENプロジェクト」に取り組んだ小林夕夏さんのレポートです。

〇どうして参加したのか

「この夏は何か新しいこと、大きなことをやりたい!自分の好きなことを見つけたい!」そんなことを思いながら探していたところ、自分の興味のあるDIYができるこの里の駅プロジェクトを見つけました。なので私は最初、インターンをしようと思って参加したわけではなく、DIYやシェアハウスなど「興味はあったけどやったことのないもの」に惹かれて参加しました。

〇私たちが行ったこと

私たちが行ったプロジェクトは、胎内市坂井地区のお米の自動販売機があった建物を、地域のお米や野菜を売る「里の駅」にリノベーションするというものです。デザインの作成から1カ月後にプレオープンできる状態まで完成させるという壮大なプロジェクトでした。

この建物は290号線が隣に続いており、近い将来、観光客も立ち寄れる場所として期待されている場所でもありました。私たちはまず、地域おこしの成功を収めている村上市を訪れ、吉川社長から成功に至るまでの経緯やアドバイスをいただきました。「村上市が成功しているからといって同じものをやってもうまくいかない。その土地に合うものがそれぞれある。」というアドバイスを受け、私たちは「坂井地区らしさ」とはなんだろうと、情報を集めました。地域の方から昔の様子をお聞きした中で、「昔は茅葺屋根の家ばかりだったけど、水害で流されてしまったあとにみんな現代風の家に作り変えたんだよ」と懐かしんでいたお母さんのお話が印象に残り、茅葺屋根を象徴とした「水害前の坂井地区南俣の家」をコンセプトにしました。デザインも決まりいよいよ製作。

坂井地区の材木屋さんからいただいた木を採寸し、かんな掛け、色塗りなど、下準備だけでも私が想像していたDIYより正確さが求められ、体力も相当いるものでした。自分たちの思い描いている理想のデザイン通りに作りたいという気持ちと、プレオープンまでにお披露目できる状態に少し妥協しても完成させなければならないという現実が何度もぶつかり、1つ1つの選択が苦しい時期でもありました。インターン生3人それぞれも各自こだわりたい部分があって、何を優先するべきなのか3人で夜遅くまで本音を言い合った日も続きました。

特に1番苦戦したのが茅葺屋根。通常1年かけて行うものを2週間で経験のない私たちが行うというのはかなりの難関でしたが、メンバーの熱意に動かされ、当日までに何とか形にすることができました。プレオープン当日は70人ほどの多くの人から集まっていただき、嬉しい言葉をたくさんいただきました。オープン当日には地域の方が里の駅の中でおはやしを演奏してくださったのですが、聞きながら改めて全体を見ると、「自分たちはここまでできたんだな」「こんなにたくさんの人がこの駅に関わってくれて、関心を持って見に来てくれたんだな」と気持ちがこみ上げてきました。

理想の完成図には及びませんでしたが、1カ月という限られた期間の中で、できるだけのことはやりきれたと思っています。手伝ってくれた食糧農業大学の皆さんが、インターン終了後に引き継いで運営まで行うと聞いて、今後も手伝いに戻ってこようと思います。

〇地域に対する変化

この1カ月で私にとって胎内市はあったかいホームに変わりました。インターン中、用事で新潟市に戻ることが多かったのですが、いつの間にか実際の家は新潟市なのに「胎内に帰る」と言うようになっていました。プレオープンで「よく頑張ったね」と抱きしめてくれたお母さん、「また来たら寄ってね」と言ってくれたお父さんたち。地域自体がひとつのホームのようで段々居場所に感じました。

そして、一緒に1カ月生活した2人には大きな影響を受けました。昼も夜も常に一緒だからこそ、初めましてとは思えないくらいお互いのことを知ったし、逆に自分のこともよく分かりました。私は自分が相当楽観的な人だと実感しました。「まあ何とかなるんじゃない」とか、「とりあえずやってみよ」という行動が多かったからです。逆に計画を立てて慎重に進めてくれる人もいたからそういう行動ができたのかもしれません。何かチームでプロジェクトをやる時は必ず何か自分には役割があり、一方で人に頼ることも大切です。だからこそ話し合いが重要でした。お互い何かモヤモヤがあるままではうまく進まなかったです。本音で話し始めてから、その人の行動の意味が分かるようになったし、じゃあ自分はこうしようというようにも考えるようになりました。そしてやり遂げたときの達成感は本当に大きいものです。また何かに挑戦してみたいという気持ちにもなりました。