こんにちは!引き続き短期インターンのレポートを挙げていきたいと思います。
胎内市でムラだよりを創っていた紺野珠実ちゃんです。彼女のレポートには、何度も嬉しくさせられました。
珠実ちゃんにしか出せない言葉やイラストがあります。それはこれから自信を持って大事にしていってほしいものだなと思いました。
それではどうぞご覧ください。
なぜ参加したの?
私がこのインターンに参加した理由は、2つある。
一つ目は、自分のいつも書いているイラストを生かせるチャンスだと思ったからだ。大学生になってから、北海道にいる家族へ手紙を送っていた。手紙というか私の日記のようなもので、イラストで日々のあれこれを書いて、5枚くらいたまると送るという感じだ。愚痴やら、だらしない生活の話やら、悩みやら、とても他人には見せられるものではないが、家族には好評だった。
「これなかなか書けないよ」という家族の声に乗せられて、ちょうど私も、何となくこのイラストをどこかで生かしたい、と考えていたところだった。
二つ目はおもしろそうだと思ったからである。「あ」と言ってしまった、最初にネットでこのインターンの募集を見たときは。
編集、田んぼのある風景、地元の人との交流、共同生活…憧れていたけどできていなかったこと、もやもやとしていたけど本当はやりたかったことが、目の前に提示されたような気がしたから。
いつもはおもしろそうと思ってもなかなか飛び込めなくて、でも、今回はなぜかできて、それで良かったなと今になると思う。
どんなことをしたの?
鹿ノ俣地域のためのムラだより「かのん」を創刊した。
この地域は人口がだんだん減っていて、さらにここに住み続けたいという若者が少ないという状況にある。人口が減ってしまうと、集落の行事がなくなっていき、人々のつながりも薄くなっていく。
地域としての活気がなくなっていく。それはとても寂しいことだ。だから、地域の方にもっと鹿ノ俣を好きになってもらいたい!誇りに思ってほしい!ということで、この村だよりを作ることとなった。ムラだよりは、その好きになるきっかけ、入り口である。
「かのん」を作るにあたって、最初に行なったのはコンセプト決めだ。
付箋をはって、みんなで意見を出し合って決まったのが「わかちあいたくなるムラだより」。
作る過程も参加型にする、読んでもらったときに誰かに感想を言いたくなる、そしてゆくゆくは鹿俣のための活動の後押しとなる、そんなムラだよりを作りたいね、となった。
次の日は、佐藤可奈子さんのお話。とても整理して農業のことや、地域のことをお話してくれて勉強になった。が、同時に、私はまだ鹿ノ俣のことを何にも知らない!どうしよう!と不安になってしまった。
それからはスケジュールを変更し、毎日、集落に出ていろいろな方とお話した。
自転車に乗って、会った人に「こんにちは」と言い、自己紹介をすると「回覧でみたよ」と多くの方がやさしく、時間をとってお話してくれた。
これが、本当に楽しかった。おじいちゃんおばあちゃんはやっぱり話すのが好きみたいで、このあたりの季節の話(主に雪!)、家族の話、昔の話、行事の話、サルの話…などなど、たくさんのお話が私にこの地域の魅力を教えてくれた。
地域を感じて、記事をつくる
楽しい、楽しいとばかりも言っていられない、記事を書かなきゃいけないから。私の担当は「お料理企画」と「鹿ノ俣夏祭りのレポート」であった。
まずはお料理についての記事。ざっくりとしたテーマすぎて、どうしたらいいだろう…と困っていた。
それを助けてくれたのはシノブさんである。相談すると「こんにゃく作るかい?」と公会堂を借りてくれて、お友達も呼んでくれて、材料も用意してくれて。とても楽しいお料理教室となった。
しかも、初めて食べた手作りこんにゃくはおいしかった!ということで、これで書くことに決め、試行錯誤して、楽しかった様子を伝えるためにイラストを加えた。「あ、生かせたじゃん、私の絵」ということで少しうれしかった。
二つ目は夏祭りについて。けいなさんが運営した「鹿ノ俣夏祭り」をこちらも、イラストでレポートした。私たちもクイズラリーを作ったり、とお手伝いしたのでとても思い出深い行事となった。
試行錯誤の編集作業
みんなの記事を集めて編集という段階になると、市役所や家にこもることも多くなった。
全員こんな冊子を作るのが初めてだから、また試行錯誤。
どんな表紙がいいか、どんなページ割がいいか、テイストはあっているか、今までの記事が白紙になってしまうかもという不安を抱えての作業となった。が、これをやりきった後にしか完成はなかった!
「かのん」完成!やっぱり一冊の本として出来上がると、とてもうれしかったし、達成感を得た。と同時に、集落の方はこれを読んでくれるかな…と不安にも思った。
が、発表会での皆さんの反応もうれしいものだった!「孫が載っていてうれしい」「よくこういうものを作ってくれた」と感想をいただくと、よかったと心の底から思えた。
何を得たの?
具体的に、何を得たのか、これが将来にどうつながるのかは、言葉で表せない、というかわかっていない。
けれど、このプロジェクトに取り組んでいいたこの一か月、私はとってものびのび、いきいきしていた!
いろいろな方といろんなお話しすること、文章を書くこと、イラストを描くこと、何かを作ること、何かのためになること、自然の風景、たくさん私の好きなことが見つけられた。
やっぱりインターンと名の付くものだから、将来の方向性が決まるかもなんて少し期待していたけど、逆に広がってわからなくなった。でも、それでよかったなと思う。
この後も「かのん」に関わっていきたいし、鹿ノ俣に遊びに行きたいと思える、そんな経験がこの夏にできて本当によかった!
また、こんなによい経験ができたのはたくさんの人の力があったからだと思う。こうやって受け入れてもらうと嬉しいんだ!と感じることが多々あった。
私も笑顔で招き入れて、楽しい話ができる人になりたい!と思った。今、鹿ノ俣を思い出すとみんなに「ありがとうございました!」と言いたい気分になる。
素敵な経験ができました!ありがとうございました!
紺野珠実