こんにちは。イナカレッジ事務局の井上です。
夏のインターンレポート、2人目は胎内市鹿ノ俣地域でムラだよりを作っていた、樋口かおりちゃんです。
全インターン参加者の中で最南端、福岡県からやってきてくれました。
言葉や姿勢にいつもどこかしっかり芯があった気がするかおりちゃん。レポートに並んでいる言葉も、借り物でないかおりちゃん自身が生んだ言葉だなあという感じがしました。個人的に、後半に書いてくれているこれからの目標がとても好きです^^
それではどうぞ!!
インターンに参加するまで
今年の三月にミャンマーに行った際に、グローバルもローカルも変わらないのでは?という気付きを得ました。
そこで、今まで海外に向いていた視点が地域にも向くようになりました。
実際にその地域で住民の方と同じように、ある程度の期間生活を送る。自分たちなりのムラだより創刊号を発行できる。
とても魅力的で是非参加したいと思いました。
ムラだよりを創るにあたって
まず、ムラだよりを発行していくうえで軸となるコンセプトを決めました。
ムラの人たちが自分の地域を誇れるきっかけづくりの一つになればという想いの元、鹿ノ俣のことを知るために多くの時間を地域の方々との交流に充てました。
子供たちやお母さん方・お年寄りの方々まで沢山の方と触れ合いました。
ムラだよりを作るうえで絶対に聞いておきたい質問を頭に入れつつ、純粋にお話を楽しみました。
驚いたことは、沢山私に質問を投げかけてくださることでした。九州でよく採れる野菜って何だろう…など。
その場で答えるにはとても考え込む質問が多かったです。
私は、専ら新潟を知りたい!鹿ノ俣を知りたい!住民の方のお話を聞きたい!という姿勢で取り組んでいました。
そのため、逆に九州を知りたい!福岡を知りたい!私について知りたい!と思ってくださる地域の方がいることに驚きました。
中でも忘れられないのが、これを見て故郷を思い出してね、と取材の資料と共に福岡の冊子を頂いたことでした。
私のためにわざわざ準備して下さっていたことを思うと胸が熱くなりました。
反面、ここに来て一度も福岡を恋しがっていない自分に気付き、びっくりしました。
日を重ねるにつれて交流の輪が広がり、沢山の住民の方の顔が頭に思い浮かぶようになりました。そのことがムラだよりを作る大きな励みになりました。
もはや歴史マニアに捧げるような特集からの脱却
村には由緒ある場所が沢山ありました。お話を伺う中で、意外にもその存在を知らない住民の方も一定数いることが分かりました。
そこで私は、ムラだよりで歴史を取り上げたいと思いました。
歴史ということで、取材でお聞きした事実とヨソ者の私だからこそ書ける文章との両立を取ることに本当に苦労しました。
一度書き上げた原稿の仕上がりは最悪でした。
桓武天皇がから始まる出だし。他の二人(たまみ・のぞみ)は素敵な絵で記事をアレンジしていて、ゴール直前でした。
私の記事だけを製本したバリ堅な冊子に愕然とし、もう一度一から作り直す決意を固めました。
初心に帰ってもう一度鹿ノ俣を探検。途中でアイスを食べたり、観光客のようにはしゃいで回りました。
どうしても一文が長くなってしまうと取っ付きにくくなってしまう。と思った私は、事細かに気付いたことをツッコミ風にメモしました。
(完成した記事はこんな感じ)
(表紙がこちら。※正式な全編が見たい方はイナカレッジまで連絡ください!)
稲とともに新潟に染まっていった私
今回のインターンを通して初めて新潟に来ました。
それでも着いたときは、不安よりもワクワクが大きかったです。
鹿ノ俣には沢山の味がありました。
初めて来たときの一面緑の田んぼ・帰る頃にはすっかり黄色に染まった稲・早朝の沢から一望した景色・川と鳥と虫の音が聞こえてくる神社・夜空の綺麗な星・美味しい空気。
頭で考えるより身体で感じる素敵な集落でした。だからこそいつも同じリズムで生活している私にとって、この一ヶ月はとても刺激的なモノでした。
大まかな目標を掲げつつ、日々自分が感じたこと・思ったことに呑まれて行動する楽しさを覚えました。
頭で考えるより、まずは行動に移しました。素直な気持ちで行動したからこそ多くの発見を得ることができました。
その中でも一番の収穫は、私よりもはるかにお年寄りの方々の考えが柔軟だったことです。
田舎に暮らされている人のイメージはここにずっと残ってほしい願いが強いとばかり思っていました。
しかし、次の世代に伝えたい想いという質問をしたとき、皆さん口を揃って若いうちに沢山冒険をしておくこと。色んな世界に触れること。と言われていました。
私にはそれがカルチャーショックでした。この考え方にしても歴史特集にしても、私はまだまだ堅いなと痛感させられました。
比較的一度決めると揺らがない頑固な私の今一番の目標は、こんにゃくみたいな柔軟な人になることです。
時には目を合わせながら、相槌を打ちながら、失礼のないように気を遣いながら一生懸命書きなぐった一冊のメモ帳。
自撮りはほぼ無く三食の手作りご飯と虫がメインの三人共有のフォルダ。心を打たれて思わず撮った写真。色んな人が書いてくれた私の似顔絵。子供たちからのアルバムのプレゼント。早速実家でも実践したたまみ直伝北海道名物かぼちゃ団子との出会い。のぞみお手製のレジン。最終日にサプライズのようにけいなさんから頂いたお手紙とやらにゃん限定キーホルダー。帰り際にお母さんみたいだなと小さくつぶやいた私に「当たり前、お母さんでしょ、おばちゃんかもしれないね。」と笑って手を取りながら話していただいたお世話になった方からの言葉も宝物です。
また普段の生活に戻っても、沢山今回の経験を思い出す種があちこちに出来ました。これからその種を少しずつ育てていきたいです。
樋口かおり