地方に移住を考えているライター小川さんが、インターン先を巡る旅をしてくれました!
東京出身、東京育ちのライター小川です。
現在東京から地方への移住を検討中です!
地方移住を検討している私の目線からインターンの紹介をさせていただきます。
今回ご紹介する長岡市栃尾下塩地域のロングインターンは、一言で言うと「お酒造りのすべてが学べるインターン」です。
お酒(日本酒)造りはお米を作ることから始まりますが、このインターンではお米作りから、実際にそのお米を加工してお酒を造るまでの全てを学ぶことができます。
また、自分で作ったお酒をどう販売するのかまで経験することができます。
このインターンは、全国的に見てもかなり珍しいインターンと言えるのではないでしょうか。
将来酒造りを生業としていきたい、またはお酒が好きで酒造りを根本から学びたい方などにおすすめのインターンです!
お酒造りはお米の苗作りから
このインターンにご参加いただくと、まずなにをするか分かりますか?
それはビニールハウス作りです!
下塩地域では雪が多いため、冬の間はビニールハウスのビニールをとって、骨組みだけにしてあります。
その骨組みにビニールを張って、まずはお米の苗を作れる環境を作るのです。
酒米作りは、苗をビニールハウスで育てるところから始まります。
インターンにご参加いただくとビニールハウス作りから関わっていただくことになるので、本当にゼロの状態からお酒造りを体験することができるのです!
※ 苗を育てるビニールハウスの骨組み。今はまだ雪に覆われています。
今回インターンの受け入れ先として名乗りを上げてくださったのが「下塩農産」です。
※下塩農産の土田米蔵さん。とても穏やかな方で、お米を作るために生まれてきたようなお名前でいらっしゃいます!
土田さんや下塩農産の皆様と一緒に、ビニールハウスを立て、まずは苗を育てていきます。
苗作りはビニールハウス内の温度管理が重要。これは、実際に作業をしないとコツが掴めない重要な工程です。
例えばビニールハウスの端の方は温度が変化しやすいので、苗の成長を他のものと同じように均一にするために、「苗返し」という作業をします。どれくらいの頻度で、どういう時に苗返しをすればいいのか、ぜひ熟練の方々の技術を盗んでいただきたいと思います。
そして、育った苗を五月初旬に田植えし、通常のお米より少し早い八月下旬に稲刈りをします。
収穫したお米は乾燥機にかけて水分を飛ばします。
ここまでで、酒造りに欠かせない酒米作りの全て体験することができるというわけなのです!
そして酒米作りが終わると、今度は酒蔵に働く場所を変更して自分で作った酒米を使ったお酒造りが始まります!
お酒造りは釜の掃除から
酒蔵でのお仕事は、蔵の中の掃除から始まります。
タンクなど、隅々まで掃除をしてピカピカの状態にしてからお酒造りが始まります。
そして、いよいよお酒造りがスタート!
春から秋の間に手塩にかけて作った酒米を、まずは精米するところから作業が始まります。
籾(もみ)のついた状態のお米を精米していくのですが、この時どれだけ余計な部分を削るかで、お酒の値段が決まってきます。削れば削るほど、できるお酒の量は少なくなっていくので、それだけ高いお酒ができるというわけなのです!
精米したお米を今度は水で洗うのですが、こちらも、ただ洗えば良いというわけではありません!
お米は水で洗う時にも水を吸水します。そしてこの時どれだけ水を吸わせるのかが、今後のお酒造りでとても大切になってきます!
ストップウォッチを首からぶらさげて、洗う時間を計測しながらお米を洗っていくのです。
一体どれくらいの時間で洗えばいいのか、ここでもぜひ先輩の技を盗みたいところです。
そして、洗ったお米を蒸し器で蒸し、蒸しあがったお米はみんなで台の上に広げて冷まします。
この時、お米の温度が約36℃になるまで冷まします。温度は手のひらの感触ではかるそうです。こんなところにも熟練の技が光っているのですね。
そして、冷ましたお米に種麹をまき、麹(こうじ)を作ります。ここまでくるとお酒造りもいよいよ大詰め!
麹に酒母、蒸し米、水を加えて「もろみ」が作られます。
この「もろみ」を発酵させて圧縮機で圧縮すれば……。ここで始めてお酒と対面です!
ここで作られたお酒をろ過したり、加熱されたものが一般的に販売されている日本酒になるのです。
春のビニールハウス作りから始まったお酒造りの末に、ここでようやく自分が一から作ったお酒を口にすることができるのです!
知識はゼロからでOK
実は今、こちらのインターンで実際にインターン生として働かれている先輩がいます。
※ 2016年度インターン生 安東尚代さん
安東さんは大阪のご出身ですが、お酒好きが高じて今回のインターンに参加されています!
もともと安東さんはお酒を飲むのが好きで色々なお酒の種類などを知っていらっしゃいましたが、お酒造りに関しては当然素人。
知識ゼロの状態からお酒造りを学んでこられました。
酒蔵では蔵の掃除から仕事に参加できるので、職場の方と十分にコミュニケーションを取ってからお酒造りを学んでいくことができます。
実際に安東さんも仕込み前の準備段階から酒蔵の仕事をすることで酒蔵の先輩との関係性を構築していき、スムーズに知識を得ることができたそうです。
十月頃にお酒を仕込んで、実際にお酒ができるのが十二月下旬頃。
そこで、初めて自分で一から作ったお酒を飲むことができ、安東さんも初めて自分が作ったお酒を飲んだ時はこの上ない喜びを感じたそうです。
地域のご紹介
※ 安東さんご自身で描かれた自己紹介。回覧板で地域のみなさんに紹介されました。
ここ、下塩集落では草刈りや用水路の掃除など、集落全体で行う作業もあります。
そういった共同作業を一緒に行うことで、集落全体に自然と馴染んでいくことができます。
農作業以外では、山菜採りをして山菜の料理の仕方を近所の方に教えていただくなど集落の暮らしを楽しむことができます。
下塩では蛍を見られるスポットがあるので、蛍鑑賞会などのイベントを主催したりなど、集落外の方との交流を持つこともできますよ!
下塩では安東さんの前にもお一人インターンを受け入れていらっしゃるので、地域全体としてはインターン生の受け入れに慣れていらっしゃる印象です。
初めてのことばかりでも自然に馴染んでいける環境であることは間違いありません。
お酒作りを一から学んでみたい方、是非応募してみてください!
酒造りインターンプログラムは、こちら
ライタープロフィール
小川裕介
東京で生まれ、東京で育つ。2016年からフリーライターとしての活動を開始。
現在、ライターとして活動をしながら地方移住を検討中
ツイッターアカウント:https://twitter.com/yusuke_ogawa06
公式ブログ:http://ogawayusuke.com/