強く、美しく、荻ノ島で生きる人たち

8月10日からスタートした柏崎市荻ノ島集落「ずっと残したい、人生80年「お母さんの言葉を紡ぐ」プロジェクト

まずは、一人目。大阪出身の橋本くん、野菜を使ったスイーツで、お母さんの心をがっちりつかむ心優しい青年のレポート!ぜひご一読ください。

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新潟では好きな人ができすぎて、好きになってくれた人がたくさんできて

帰りの新幹線は山を貫く幾つものトンネルを高速で進んでいる。その速さに僕の心はついていけなかったようで、座席に着いた瞬間に涙がわけもなく溢れてきた。普段泣くことなんて本当にない僕なのに、涙がとまらなかった。新潟では好きな人ができすぎて、好きになってくれた人がたくさんできて「帰るなら来るんじゃなかった」少しそう思ってしまうほどに沢山の素晴らしい方々との出会いがありました。

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「やりたいことがいっぱいあるような、何もないような。自分がどう生きたいのかわからない」

5月21日。梅雨の時期。就活真っ只中。「やりたいことがいっぱいあるような、何もないような。自分がどう生きたいのかわからない」という感じで、ただ就職してもそれは自分の人生ではないような気がして、何も考えなければそのまま働き続けられるだろうけど、ふとしたときに「なんかちがうな」ってやめてしまう自分が想像できる。そんな自分のこれからの人生に悩んでいた時、現在は片貝まつりで輝く大学の先輩に「ひと夏ニイガタ来てみる?」と誘っていただき、にいがたイナカレッジのインターンに応募しました。

 

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荻ノ島で75歳以上のお母さん方の話の聴き書き集をつくる

大学で地域の問題を学んでいたということもあり、インターン先としては荻ノ島で75歳以上のお母さん方の話の聴き書き集をつくる「ずっと残したい、人生80年『お母さんの言葉を紡ぐ』プロジェクト」を選びました。

 

人口減少、少子高齢化、過疎化に東京への人口一極集中・・社会問題といえば数えられないほど。そんなこれから社会がどうなるかわからない時代だからこそ、自然と共存し、持続可能な生活をしてきたお母さん方の話を聴いて未来に活かすことがとても重要になるんじゃないか、これまでの日本とその生き方を知っている人の声を、考えを残していくことには意味がある。

そう考え、京都で実際に村の人の話を聴いてその価値観を伝える冊子をつくっていたということもあり、その経験が役立つのではないかと考えたからです。また、戦時中から80年生きたお母さん方への勲章になり喜んでもらえるような冊子になればいいなと想いこのインターンに取り組みました。

 

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お母さん方に話を聴いたこの1か月は人生で一番濃く、得るものがあった

荻ノ島では今まで食べたことのないほどの甘いトウモロコシ、黄金に輝く稲穂、それ以上に輝く荻ノ島の人たちの笑顔。そんなたくさんの素敵な出会いがあり、お母さん方に話を聴いたこの1か月は人生で一番濃く、得るものがあったと思います。

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「生の声を聴く大切さ」

実際に戦時中を生きたお母さん方の話を聴いて一番感じたことは「生の声を聴く大切さ」でした。大学で学んで知識として、情報として「知っている」ことと心で「感じる」ことの大きな違いを、身を持って学びました。戦時中にB29が飛来して長岡の空に大量の焼夷弾を落とす景色を荻ノ島から眺めていた話、11歳で聞いた玉音放送の言っている意味が分からないほど生きるだけで精いっぱいだった話。そんな僕たちが体験したことのな当時の過酷な生活の話をいまは笑顔で話すお母さんたち。そんなお母さんたちはとても強く美しく見えました。

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冬になれば3mも雪が積もる荻ノ島。そんな土地に住むんでいるからか、お母さん方はとても元気で仲が良く、とても優しく、尊敬し合い、話を聴いている僕自身がとても勉強させていただき、元気をもらいました。そして見ず知らずの僕たちにも優しさを分けていただき、冷蔵庫の中がお惣菜屋さんのようになり、入りきらないほどの沢山のお野菜をいただき、とてもよくしていただきました。

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「話し相手がいることは本当に大切だなあ」

このインターンで自分が挙げた成果といえば冊子の完成になるのかもしれませんが、個人的な感想としてはお母さんたちの話し相手になれたこと、少し笑顔にすることができたことのほうが成果になったんじゃないかなぁと思っています。インターンで相方が帰って大きな家で1人暮らしになったとき本当に1人で暮らすのって寂しく、話し相手がいることは本当に大切だなあと感じました。なので今回僕は、インターンでこのような機会をいただきましたが、そうでない人にも自分のおばあちゃんやおじいちゃんに話を聴いてあげてほしいなと思います。

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「孫に残してやれているだろうか」

「昔と比べたら今は夢の国みたいだ」最後に聴き取りをした88歳のお父さんが言った言葉が今も心に残っています。戦時中を生きたお父さんたちからしたら僕たちは今夢の国に生きている。そんな夢の国で僕たちは本当に夢の国を満喫して、大切にして生きているだろうか。

この夢の国を自分がおじいちゃんになった時に、孫に残してやれているだろうか。そんな苦しい時代を生きたお父さんだからこそ言うことのできる、これからの社会を考える言葉です。

このインターンを経てまだまだ勉強不足だなと、地域づくりは難しいなとさらに感じることになりましたが「過去を顧みてこそこれからの未来はつくられる」そして「友達や家族は本当にかけがえもなく大切なもの」改めてそう想うことのできた最高の1か月でした。

 

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