「にいがたライフスタイルカフェ 」レポート VOL.1女子の暮らし 〜 自分らしい暮らしは戦略的に叶えよう 〜

自分らしいライフスタイルを実現している先輩を招いて、これからの暮らし方について考える「にいがたライフスタイルカフェ」。
第一回目のテーマは「女子の暮らし」です。女性にとって欠かせないキーワードである「仕事」「結婚」「子育て」を軸に、京都・新潟・東京それぞれの場所で自分らしいライフスタイルを実現している20代の先輩3名が登場。住まう地を自ら選び、自分らしく暮らすこと働くことの“いま”と“これから”について、せきららに語りました。

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モデレーター(瀬沼):今日は「女子の暮らし」がテーマということで、パネラーを含む皆さん、ゲスト、進行を務める私も含めて全員女子ですが、会場をみると男性も意外と多いですね。ではまずパネラーの皆さんから簡単に自己紹介を。それぞれの活動、移住したきっかけなどお話いただけますか。

 

岸本 千佳 さん (京都移住計画)

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岸本:「京都移住計画」という団体の一員としてやっています岸本です。いま全国各地にある「◯○移住計画」ですが、最初に始まったのが京都でして、個人事業主の集まりとして京都にUターン、Iターンをしたメンバーで一緒に運営しています。

私は新卒で不動産ベンチャーに入って渋谷で5年間働いて、そろそろ自分の力で仕事をしたいなということとフラットに京都に帰ることを考え始めたんです。東京で独立するイメージはなかったので、京都市にある堀川団地再生プロジェクトに応募して入居者になれたことをきっかけに京都に移住しました。

いまの仕事内容は、京都でサロンイベントを月一程度で開催して、 ウェブコンテンツという形で情報発信を行っています。あとは移住したい方の問い合わせ対応。例えば、長崎の焼き菓子屋さんの開店のお手伝いをしたり、駐輪場だった場所をバーに改装したりということをやっています。私自身もシェアハウスを複数企画・運営していまして、 シェアハウスとはどういうものか知ってもらう巡るツアーを京都の他社3社合同でつくったり、本業の仕事を辞めずに京都の暮らしを試すことができる、お試し移住を企画したりしています。

 

栗原 里奈さん  移住女子/六本木農園 農家仲人

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栗原: 新潟県の越後川口に住んでいます、栗原です。雪が2〜3メートルくらい積もる地域で暮らしていますが、もともとは千葉県出身です。

以前はIT企業のエンジニアとして、新卒から5、6年ほど勤めていました。大企業だったのでお給料はいいし楽しく過ごしていたんですけれども、東日本大震災で近所のスーパーで物が買えない体験しまして。本当に極端なんですけれども、自分で畑、田んぼをする暮らしをしないといけないのではと、その約3カ月後に退職をして、友達の紹介にも助けられてフリーランスでツアーコーディネーターとして新潟に行ったことが今の暮らしにつながっています。大きかったのは、その時に夫となる新潟の男性に一目ぼれをしまして(笑)。 いろいろ計画的に連絡をとり、その方と無事おつき合いすることができて(笑)、1年後には長岡に引っ越していました。

今の仕事も本当にご縁で。中山間地の加工品のプロデュースや、 新潟の魅力を伝えるツアーやイベントを県内や東京で企画したり、新聞コラムで新潟の魅力を発信させていただいたり。 NPO法人「おもいのほか」の代表をしているんですが、 長岡のものって本当はいいんだよとオシャレに提案することで、生産者さんと地域の消費者の方をつなぐイベントを仕掛けています。あとは「移住女子」というフリーペーパーを発行して、中山間地に住んでいる私たちの暮らしだったりとか、知られていないおじいちゃん、おばあちゃんたちの知恵だったりを発信する活動をしています。

 

佐藤 佳奈美さん 認定NPO法人 ふるさと回帰支援センターIMG_1779

佐藤: 皆さんがいらっしゃっているこのNPO法人ふるさと回帰支援センターに勤めています、佐藤佳奈美といいます。私も新潟に縁はなくて、隣の山形県出身です。将来田舎で住みたい、じゃあどこに行こうかというような、その狭間にいます。

山形県はサクランボの佐藤錦が有名ですが、実はそれをつくったのが私の先祖でして…。 私自身も高校のタイミングで実家の会社名が佐藤錦に変わったことで初めてその事実を知って。 あ、うちすごいんだと。そこから家に関わるような生き方をしたいなとは、ふつふつと思っておりました。

ところが、将来農家になろうと入った農学部で、地域の活性化とか地域振興に興味を持つようになりました。卒業後に就職をしたのは民間の、それこそ農産物を加工し販売する6次産業化や、地域政策の立案というような、地方自治体さんに研修をする民間企業に就職しまして、昨年からはこのふるさと回帰支援センターというところに移っています。

センターには各県ごとに相談員さんがいまして、全国さまざまな情報を提供しています。どこか地方に戻りたいな、移住したいなと思っている方々のご相談に応じて、地域の方々につないでいくお仕事です。私はまだ移住していないのですが、 やっぱりいつかは戻りたいと思っています。 3.11の時のように、食料が尽きたり、お金があっても生活ができなくなる状況がいつ来るかわからない。震災当時に実家に連絡したら想像していたよりも困っている様子がなかったんです。自分たちでつくれる、生産と供給ができるところはやはり強いのかなと感じています。

 


自分の好きなまちで、価値ある仕事をみずからつくる。「移住はちょっと計算してやりました笑」


瀬沼:岸本さんはもともと京都出身でUターンした形ですが、あえて京都で、ある種市場が小さいと言われている地域で独立しようと思ったのは?

岸本:様々ある不動産の仕事のなかで、私は「リノベーション」をやっていました。会社規模が10〜20人以下のところが多くて、横のつながりもすごい濃い業界だったんです。沢山の方にかわいがっていただきながらの5年間でしたが、その中だと近い考えを持っている方々が多いというか、私が東京にいる意味はないなと思いまして。じゃあ京都に行く意味はあるのかは未知数でしたが、少なくとも東京よりはあるかなと思ったんです。不動産は場所を扱うので地元で長くやっている方が絶対強いです。ですが、京都でおもしろい企画、いい家をつくることができたらやる意味はあるとイメージが湧いたこと、単純に京都の建物が好きだったというのも大きいですね。

ただ、京都に帰ってすぐ独立というのも難しいと思っていたので、京都市役所の空き家対策が新しく創立されたタイミングを活用して、1年間働いて京都市の市場や現状を把握しようというのはちょっと計算してやりました(笑)。 やっぱり地方の方が仕事上もつながりが必要なので、人脈をつくるためにもそこで働かせてもらいました。

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瀬沼:京都に行って、自分の役割が変わったり仕事の範囲が広がったり、何か変化はありましたか?

岸本:事業内容はあまり変わっていないですが、やっぱり紹介が多いですね。「サイトを見た」ではなくて、仕事をした誰かが紹介のきっかけになることがとても多い。だからミスができない緊張感はありますね。単発の仕事が多いように思える東京と違って、人間関係が濃いです。

 


今も続くご縁をいただいたのは実はアルバイトから。「地域だからこそ、人と人とのご縁って大切」


 

瀬沼:栗原さんも、ご縁で仕事をもらえていると話されていました。具体的な仕事に至ったエピソードがあれば教えていただけますか。

栗原:岸本さんがお話しされたようなこととほぼ同じです。私、3カ月間だけ新潟のツアーコーディネーターをした際には次につなげることができなくて。当時は東京在住の人がちょっと来てコーディネートしているように見えたからかもしれません。見つけたのは旦那のご縁ぐらいですね(笑)。

いまに続くきっかけをもらったのは、 地方と都市をつなぐレストランの六本木農園でした。新潟に住み始めた後、実は約6カ月間アルバイトとしてサービスをしつつ、やりたかったイベント担当もさせていただいて、そこで経験値を上げていました。収入がどんどん下がって本当にもうきつかったんですけれども、これは修行だと。その自信をもとに新潟に行ったら何とかなるかなと思って。その後アルバイトを辞める事を話したら、レストランのオーナーが地域プロデュースをする会社も経営されていて、たまたま新潟にプロジェクトがあったんです。その外注として新潟でお仕事いただきながら同じように人脈を少しずつ、実績もつくって、そこからまたご縁でお仕事いただいています。地域だからこそ、人と人とのご縁って大切だなと実感しています。

 

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瀬沼: 移住に向けて必要なステップをお二人とも踏んでいたというか、いきなり移住ではなく、徐々に地域との関係性を濃くされていったのかなと思うのですが。

岸本:実は京都移住計画の代表に戦略的にアプローチしています。移住するには「住む」と「働く」の2つが絶対に必須領域とわかっていたので、代表の田村が人材の専門なんですが、当時は周りに「住む」の専門の人がいなさそうということがわかって。共通の知人に一緒に飲む機会を無理やりつくってもらって、会ってみてよさそうだったら、その話をしようかなと思って戦略的に会いました。

栗原: 私の場合はたまたまが多いかもしれません(笑)。ただ、パートナーを見つけたことも大きいですが、私は身近な食の環境をつくることが理想だったので、そこを軸にした時、まだ二十代――26のときだったので仕事はお金を稼ぐ手段はアルバイトでも何でもやろうと思っていました。 皆さんも自分はどういう生き方をしたいか、自分は何を軸にしたいか、どの地域であればそれが合っているのかというのを探っていただくと、何を優先させるのがよいか具体的に見えてくるかもしれません。

 

 


知らない地域に移住するときのおすすめは、何度か通って土地の方々とつながること。季節ごとの暮らしも知ってほしい。


瀬沼:佐藤さんには全国的な移住のトレンド、何を軸に移住先を選ぶ人が最近多いといったことがあれば、ぜひおききしたいです。

佐藤:私は全体の相談員なので、個々の地域では異なるかもしれませんが…。20〜30代の単身の方々は「仕事」の比重が非常に大きいですね。若い方であるほど、仕事が決まってから移住したいという方が多いので、栗原さんの生きざまはレアケースじゃないかなとは思います。子育てをしているご家族だと、生活、教育、自然環境も含めたことを大事にされている場合が多いです。ただ、センターに来られる全体の6、7割ぐらいはまだ地域を決め切れていないです。田舎持っていらっしゃる方はそこに戻るというきっかけになりやすいですし、奥さま、旦那さまがいらっしゃる方だと、相手方の地元に行かれるというのも多いですね。

瀬沼:地域を選んで実際に移住する上で、必要だなと思うステップはありますか?

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佐藤:知り合いがいたり、かつての職場だったり、土地勘のある方との人脈があればすぐに住むということはあります。全く縁もゆかりもない地に行こうとしたときには、 何度か地域に足を運んでその土地の方々とつながっていくことをお勧めます。長野であればとても雪深い地域がありますし、春夏秋冬それぞれの暮らしを知ってもらいたいですね。

 


ニッチな仕事は求人情報として表にでてこないことも。近い仕事から始めて、自分の領域へ引き寄せていくことも大事。


瀬沼:ありがとうございます。ここからはQ&Aの時間に入りたいと思います。

まずは「地方で仕事が見つかるのか?」。仕事に関する質問は多いですね。

佐藤さんはどんなアドバイスをしますか。

佐藤: 先日相談を受けた方は、通関士という資格を生かしたいけれど、なかなか見つからなくて困っていらっしゃいました。 地元で頑張っていらっしゃる企業さんは沢山いるんですけれども、ニッチな仕事というのは内々で知り合いや身内で済ませることも多くて、なかなか表に情報がでてこない。例えば通関士の仕事をすぐにやらなくても、まずは近い職種や関係するところに勤めながら、その地域をどんどん知っていくことが近道ということもあります。横のつながりも含めて情報収集して、やりたい本当の仕事の方面に引きずっていくという方法ですね。

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岸本: こんな仕事じゃないと嫌だと最初から狭めると専門職でない場合は厳しいですね。どうしてもこだわりたい理由は何なのかを一度突き詰めて考えていただくとよいかもしれません。

瀬沼:ありがとうございます。自ら流れを引き寄せるということですね。次は、「プライベート時間は何していますか?」。

岸本:私はもう完全に仕事、プライベートが一緒です。 不動産はどうしても相手に深入りしていくので、仕事で仲よくなっていく手法をとっていると仕事とプライベートはほぼ一緒。でもそういう生き方が理想だったんです。 東京のときは会社を尺にはっきり分ける感じが息苦しかった。そういう意味ではすごい理想です、今。

栗原:フリーランス同士、私も同じですね。もちろん移住をして、地元企業に勤めて、安定も含めてきっちりプライベートと仕事を分けたい人もいらっしゃると思うんです。たまたま私たちはごちゃ混ぜになっている方がストレスがなく楽しくやれている。それをみずから選んだという感じです。

瀬沼: 次の質問は、「地方って慣習やしきたりがあって、田舎ならではのつき合い、寄り合いに出なきゃとかあると思うんですけど、そういうのは大変じゃないですか?」

栗原: 私が住んでいるところは大変ではないですよ。場所によると思います。 隣の家の家族構成を知っているし、挨拶はもちろんするし、地域のイベントがあれば協力しますが、若い人が意外と多くて、フラットなつき合いというか。

私のすぐ近くにある集落は14軒しかないので、そこはもう何かキュッとしています。「おらんち飲みにこいや」みたいな(笑)。地方といっても、都市部に住めば東京と同じように何か隣に住んでいる人がわからないこともありますし。

岸本:京都もそんな感じです。 そこは自分の好みの度合いで家を探すというのも1つですね。

瀬沼:最後に、「移住するに当たり、家族の意見や反対などありませんでしたか?」

岸本:地元だったので反対はないですが、歓迎もなかったですね。でも、私も3.11のときに東京にいたので、帰りやすい距離に両親がいるというのも移住する1つの理由ではありました。

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栗原:私の場合は、移住と同時に結婚だったので、若干父親がいい顔をしてなかったくらいですね。 私、一度決めたら言うこと聞かないので(笑)。今となっては、ちょっと休みがとれたらうちまで来て草取りをしてくれたり、通ってくれています。

先ほど佐藤さんもおっしゃっていた通り、実際にその地域に行ってみて、自分はどういうふうに暮らしたいか、どんなライフスタイルを選びたいかを目で見て、体験できると一番いいですよね。まさにこのライフスタイルカフェじゃないですけど、いま体験イベントやインターンシップも増えていますし、気になったものに積極的に参加されるといいんじゃないかと思います。

 

 

瀬沼: 皆さん、勢いにきこえても実は戦略的に人生プランを立てていますね。 会うべき人に会えるように友人や周囲の方々に協力してもらったり、自己投資やリスクヘッジの視点を持って行動していたり、発見が沢山ありました。少しでも来場者の皆さんのしてみたい暮らしのヒントになりましたら幸いです。ありがとうございました!

 


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