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私事ですが…「集落に大事件」

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私事ですが…、昨年12月7日に長男が誕生した。逆算してみると、昨年4月に移住してきたときから、妻のお腹の中にいたことになる。初めて妊娠がわかったとき、息子はまだ2mmほどの大きさだった。研修が始まり、田植えをして、稲刈りをして、冬を向かえるころ、44cm&2095gにまで成長してこの世に舞いおりて来てくれたのだ。

その翌日、僕らは妻の地元で里帰り出産した新潟市内の病院で朝日新聞社の取材を受けていた。研修先の集落で久しぶりに子どもが生まれるということで取材依頼があり、元々12月8日に妻がインタビューを受けることになっていたのだ。出産予定日が19日だったので大丈夫だろうと思っていたのだが、予定が早まってしまい、バタバタと病室でインタビューとなった。一応はっきりさせておくと、出産翌日で遠慮する記者さんに「妻も元気だから大丈夫ですよ」と僕がお招きしてしまったのだ。

実は僕も元々朝日新聞社の報道カメラマンだった。最初に依頼をいただいたとき、「元社員なのですが、それでも取材をされますか?」と確認したうえでの取材だった(相手はかなりびっくりしていたけれど)。僕は朝日新聞社を退社した後も、広島や長崎、福島などで取材をしたり、パレスチナやイラクなどの紛争地でも取材をしてきた。取材をしていると、取材を断られることなんて日常茶飯事だ。だからこそ、取材する側の人間でもある僕は基本的に取材依頼は断らないようにしている。そうやって、自分の運気をためこんで、自分が取材をするときに断られないように祈るという腹黒い理由ではあるのだが。

とにかく、僕らの長男誕生というニュースは朝日新聞社新潟版の元旦の紙面に掲載された。

そして、1月4日にはデジタル朝日のトップニュースまで飾ってしまい、予想以上の反響があった。

http://www.asahi.com/articles/ASJDP6GGRJDPUOHB02K.html

しかし、「集落に大事件」という見出しを見て僕は思ってしまった。「僕らはただ単に子どもを授かっただけなのに」と。僕ら夫婦は芸能人のように特別有名なわけでもない。それがニュースになってしまうのはなぜか?それは僕らが新潟県の山間部の集落で子どもを授かったからだ。集落内では20数年ぶりの子どもで、集落内の地区単位でいうと50年ぶりの男児ということだ。僕らの長男誕生がニュースになってしまうことこそが、新潟県の山間部の集落が抱える問題を象徴している。

最近のネットニュースには記事を読んだ読者が書きこみもできるようになっている。その中には、好意的な意見の他に、そんなところで子どもを生んで病院はあるの?学校はあるの?友だちはできるの?といった僕らを心配するものもあった。幸い、病院もあるし、学校もある。近くの集落に住む友人夫妻も息子の同級生となる男児を授かった。移住者の中には幼い子どもがいる家族も少なくない。ただ、「だから問題ない」とも決して言えない(まあ、どこに住んでいても問題のない人生なんてないとは思うけれど)。

「だから問題ない」わけではないけれども、大きな問題があるわけでもない。大切なのは、ここに根を張って生きてみようと決めた僕らがこれからどうやって生きていくかだと思う。もちろん、過疎化などの問題は僕ら夫婦で解決できるような問題ではないので、僕らがどうやって生きていこうが抗えないこともあるとは思う。

ただ、息子にはきっちりと親父の背中ってものを示していきたいなぁ、と思っている。

ちなみに、妻と息子は雪がとけるころ、新潟市内の実家から戻ってくる予定だ。春が待ち遠しい。

加藤記者、素敵な記事をありがとうございました。

 

 

会田 法行
会田 法行
中立山インターン生
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