自分が作ったものだから、愛着がね-新発田市地域おこし協力隊-倉島寿雄さん 

好きなものものことを『好き』と真っ直ぐ伝えられる人がどれだけいるのだろうと思うことがあります。それは、人でも、物でも、仕事でも、場所でも。好きなものを嬉々と語る人を見ていると、波紋のように周りの人にも『好き』が伝わっていく雰囲気を感じます。

 

上三光集落で稲作をしながら暮らす倉島寿雄さんからは、語り口や表情から上三光に対する『好き』が滲み出ていました。長年兼業農家として働き、定年退職した今は稲作を中心に暮らしてらっしゃるという倉島さんに、お話を伺いました。

 

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自分が作ったものだから、愛着がね


「農家だったものですから、高校卒業後に会社に勤めながら、親父の手伝いをしていました。34-5歳くらいから、ある程度稲作を任せられました。タクシードライバーを長くしていました。タクシードライバーは日中時間が空くものですから、農業をするのにもちょうどいいかなと思って。農繁期は休ませてもらうなど、融通を利かせてもらったんです」

 

今では楽しく稲作を続けてらっしゃるそうですが、初めの頃はそうではなかったそうです。自分で考えながら育てる楽しみを知ってから、作物への愛着が増してきたと、倉島さん。

 

「最初は苦痛でした。特に親父から指図されて動くのが。ある程度お前に任せるよと言われて、自分で考えて動くようになってから楽しさが出てきました。もう64歳ですけど、元気の続く限り稲作をしたいです。米作りは楽しいです。春から様々な作業をして、秋になって収穫をする。そして、今年は出来がいいなと思えると、1年の苦労が報われますね。自分が作ったものだから、愛着がね。子どものようです。育てている過程が大変でも、最後の収穫が何とも言えない。これは、何かを作っている方でないとわからないと思います」0u8a5864

 

昔からですね、『親子三代友達』という言葉があるんですよ


上三光集落の好きなところをお聞きすると、朗らかな表情で上三光集落の好きな景色を紹介してくださいました。

 

「自然がいいですね、豊か。五頭山も観えますし、空気が澄んでいると佐渡も観えます。俺が好きなのは、田園風景ですね。田植えした後の青々としているとこがいいですね。秋になって、稲穂の黄金の絨毯も、またいいですね。目の保養になりますしね。パワーをもらえます」

 

そして、集落内での人々の繋がりにも愛着を持っていらっしゃるそうです。0u8a5878

 

「昔からですね、『親子三代友達』という言葉があるんですよ。親子三代で友達同士ということです。それが家族ぐるみの付き合いのある、田舎の良いところだと思います。家庭菜園で自家用の野菜を作っている家が多いんですけれども、よくお裾分けをし合います。例えば『うちはトマトの出来が悪いんだよな』と言うと、『じゃあ、俺のやるわい』という具合に。お互いにないものを分け合う精神があるのが良いところですね。ここの近所は特にそうですね。10人10色ですけれど、面倒見がよい。それと、心配性。隣近所が気になる。大丈夫かなあ、と。何かあると、心配しています。慣れていないと、それを嫌だと感じる人もいるかもしれませんね」

 

まずは、「この上三光集落ならではの習慣になれることが大事ですね」と語る、倉島さん。慣れないうちは戸惑うこともあるかもしれません。しかし、新しい習慣を少しずつ自分の体に馴染ませていくのは、発見に溢れる営みのような気もします。

 

距離を縮めるのには、お互いに努力が必要です


「せっかくおいでになってくれるなら、この集落のことを好きになってほしいですね。来てくれる人も、集落の人も、距離を縮めるのには、お互いに努力が必要です。一方的に、来てくれる人だけが努力してもね。受け入れる側も考えないと親しくはなれないでしょう。知らんぷりじゃなくて、声を掛ける。移り住んで来た人は、知らない土地への不安があるわけですから、こちらから声を掛けたいですね。俺の場合でも知らないところに行くとなったら不安ですもん」

 

「困ったことはすぐに隣近所に相談に行けるような人だと良いですね。こちらも、できることがあれば協力しますし。積極的に来てほしいですね。もし、田んぼを手伝いたい人がいたら、喜んで。うちも家族だけでは大変なときもありますから。交流を深めて、友達になりたいです。孫も一緒に暮らしているので、交流しているうちに新しい『親子三代友達』ができたら良いですね」0u8a5869

 

最後まで和やか時間をつくってくださった、倉島さん。
「今現在に満足しています。別に高望みもしませんし、現状維持が一番かと思います」と笑顔で語ってくださったのが印象に残っています。

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