自然と自分の体に身についているんだね-新発田市地域おこし協力隊-鈴木和男さん 

人にはそれぞれ、役割があるように思います。その人に合った役割がきっと存在しているはず。自分の役に懸命に、そして誠実に徹していると自然とその役が馴染んでくる人もいます。

 

上三光集落の自治会長である鈴木和男さんは、自治会長という役に就くのは今年度が初めて。実は人前で話すことが苦手だと語る和男さんですが、集落の仲間や先輩たちの助言に耳を傾け、時には積極的に質問をしに行き、地域おこし協力隊の募集準備にも前向きに取り組んでいらっしゃいます。そんな和男さんから、上三光集落にどのような風土が根付いているのかがすーっと伝わってくるようなお話をお聞きしました。0u8a5912

 

 

他の皆さんが手を貸してくれる


会社勤めをしながら、兼業農家として、稲作にも励んでいる和男さん。1年交代である自治会長という役をするのは「難儀だ」とも語ってらっしゃいました。しかし、それでも役を引き受け活動しているのには、周りの人の協力と過去の経験が原動力になっているそうです。

 

「自治会長をするのは初めて。それでも、困ったことがあるとすぐに、他の皆さんが手を貸してくれる。自治会長という立場だからこそ、今までお世話になった先輩たちと話す機会もできてうれしい。30歳くらいのとき、初めて農家組合長をしたんですよ。『若いときの間違えはみんな許せるから、若いうちに経験しておけ』『お前の未熟は助ける』と先輩たちに言われて。そう言ってもらえると、こっちも安心してね。その時にお世話になった人たちは、今でも頼りにしています」

 

私の今の生活には、先輩・後輩という『縦の文化』を強く感じる機会は少なくなっています。だからこそ、先輩たちに強い信頼を抱いている和男さんをうらやましくも思いました。

 

雑談からいいことを思いつくこともたくさんあるじゃないですか


「上三光集落に暮らしていて、よかったことは、人間関係でしょうね。一番好きなのは人間関係。困ったことあれば相談に乗ってくれる人がいる。最初はどういう風に聞いたらいいかわからなかったです。でも、とりあえず、自分で考えて、わからないときには、これはどういうことですかと先輩に聞いて、また自分で考えて、それでもわからないときはもう一度聞いて。これを繰り返していました。今でも、田んぼで先輩に会うと、わからないことを聞きます」0u8a5898

 

田んぼで立ち話がてら質問をしていると「平気で30分くらい経ってしまう」と笑う、和男さん。「田んぼで立ち話は、結構します。仕事もしないで立ち話を。いろんな話をしてね。雑談からいいことを思いつくこともたくさんあるじゃないですか。そういう時間が結構好きですね」

 

私のところだけじゃなくて、周りもみんなきれいにし始めたのね


和男さんは、自治会長として上三光集落に関わるようになってから、地域づくりにも興味が湧いてきたそうです。「はまった気がする」と仲間たちと語る機会もあったのだとか。

 

「イベントを開くなど、新しいことをするのは、難儀でもある。でも、なんかはまったような気がするねー、という話をしたんですよね。最初は、私も、イベントには役目があるから参加していたんだけど、少しずつ変わってきました。きっかけは、耕作放棄地を耕してサツマイモを植える準備をする手伝いを頼まれたこと。ものすごく暑い日だったけど、やってみたらすごくきれいになって、気持ちが良くて、汗を流すだけあるなあと思いました」

 

そして、その耕作放棄地を耕すという小さな一歩から生まれた小さな変化を教えてくださいました。0u8a5894

 

「そのサツマイモを植えた畑の上が、私の畑なんです。私の畑も雑草がいっぱい生えてしまっていたんだけど、下の耕作放棄地がきれいになって、これからサツマイモを植えるっていうし、これじゃ大変だと思って、自分の畑も草刈りしました。サツマイモを植える前に、何とかきれいにしないとと思って。そしたらね、私のところだけじゃなくて、周りもみんなきれいにし始めたのね」

 

小さな変化を目の当たりにして、「こういうことかもしれないな」と感じたそうです。上三光集落の地域づくりとは、こういう小さな変化がぽつぽつと生まれることなのかもしれません。

 

自然と自分の体に身についているんだね


それには、上三光集落に暮らす人たちの気質も関係している気がしてなりません。

 

「隣近所を気にしているというよりは、皆さん周りをよく見て、他の人に迷惑がかからないようにしているんだと思いますよ。自分の畑や田んぼがいくつか地続きに続いているのなら良いけれど、自分の田畑の隣に他の人の田畑がある場合は、迷惑を掛けないように、あんまり草をボーボーにしない。そういう風に心掛けている人が多いと思いますよ。むしろ、自分の土地だけであれば後から刈って、他の人に迷惑がかかりそうな土地だけ先に刈るほど。暗黙の了解というかね。そうしろって誰かが教えるわけではないんだけど、先輩たちがそういう風にやってくれていたから、自然と自分の体に身についているんだね」0u8a5906

 

お互いに素直に話したい


強制的でも、堅苦しくもない、自然な『縦の文化』が根付いている上三光集落。今でも先輩たちは『何かあったら協力するから』とまず言ってくれるのだそうです。そのことが安心感につながっていると話してくださいました。そんな上三光集落にやってくる地域おこし協力隊に、和男さんが望むことはとてもシンプルです。

 

「当たり前のことを当たり前にする。面倒だけどもね。目の前のことに手を抜かない。知らぬが一時の恥。わからないときはわからないと言ってね。わかりません、これどうするんですかって聞くのが一番だと思うんだけど。私も今でもいろんな人に聞いているから」

 

新しく移り住む地域おこし協力隊とは、「お互いに素直に話したい」と笑顔で語ってくださいました。和男さんの先輩たちがそうであったように、和男さん自身も、新しく何かに挑戦する人たちを程よい距離を保ちながらサポートしてくれる素敵な『先輩』なのだろうと感じる時間でした。どのような後輩とどのような雑談が交わされるのか、ワクワクしてしまいます。

 

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