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上三光はこの辺りで一番子どもがいるんですわ。住みやすい。-新発田市地域おこし協力隊-鈴木洋輝さん 

上三光集落は、小さな集落だけれど、他の集落に比べて子どもの数が多いそうです。そのことを少し誇らしげに語る集落の皆さんが、とても愛らしく、どこか温かい気持ちになりました。

 

そんな上三光集落で、子育て真っただ中の世代の方にもお話を聞きたいなと思い、伺ったのが鈴木洋輝さんのお宅。お邪魔すると、小学生の娘さんがお茶を出してくださいました。洋輝さんは、子ども会の会長もしているのだとか。

 

平日は会社勤めをし、土日は農業に精を出してらっしゃるという洋輝さん。集落の方からも、稲作に熱心だとの噂を伺っていた通り、様々な想いを抱きながら子育てと稲作をしてらっしゃることが垣間見えるお話をしてくださいました。0u8a5956

 

みんな庭みたいなもの


上三光集落で生まれ育った洋輝さんは、「こんなところにいるもんか、出てやろう」と思った時期もあったそう。それでも、実家の田んぼを守る為に、この集落に残り、暮らしてらっしゃいます。そんな洋輝さんは、結婚し、子どもができた頃から、上三光集落への想いに少しずつ変化が現れたそうです。

 

「上三光はこの辺りで一番子どもがいるんですわ。住みやすい。田舎なんですけど、新発田市街地に行こうと思えば行ける距離ですし。みんな庭みたいなものだっけ、年に2回ぐらい仲間集めてバーベキューをするんですけど、子どもが走っても心配することもない。市街地に行くと人の目もあって、粛々とやらなきゃいけないと思うんですけど」

 

スキー場の麓にある上三光集落は、冬は雪深く、職場の方たちから『雪降ったろー』とからかい半分に心配されることもあるのだとか。それでも、冬以外の季節には鈴虫やカエルたちの声がよく響く静かなこの集落での暮らしに、「住めば都だっけ、困っていることはないかな」と、きっぱり。0u8a5917

 

 

稲作を続けるという、環境づくり


インタビューをしながら様々な方にお話を聞くと、上三光集落は兼業農家の多い集落ではありますが、会社勤めと農業を天秤にかけ、離農する人が増えている実状もあると教えていただきました。洋輝さんは、そのような現実を見つめながらも、農業を続けているお一人。決して楽なことではありません。それでも続けているのは、次世代に繋ぎたいという想いも影響しているのだとか。0u8a5944

 

「月曜から金曜は勤めている会社でデスクワークをして、週末は田んぼやっています。

俺の世代で稲作を辞めると次の子たちに受け継ぐ人がいないから、必然的に稲作ができなくなってしまう。俺らが板挟み世代だと思うので、うちの息子が稲作をやるかどうかはわからないけど、環境づくりはしておきたいんです。賛同している人は少ないですけどね、正直。そこまで思っている人も、中々少ないと思うので」

 

初めの頃は、『させられている』感覚だった農業も、勉強や経験を経るうちに面白いものに変わってきたのだと明るく話してくださいました。

 

「最初は嫌でした。親の手伝いをさせられているという感覚で、自分の意思じゃなかったから。でも、色々勉強して、誰かに売るという面白さも加わって、変わってきました。

誰かに食べてもらってうまいって言ってもらえるのが一番面白いですね。野菜も少しつくっているんですけど、仲間あげると、結構喜ばれる。基本的に、土いじりが好きなんかもしれないですね。大量離農はビジネスチャンスだと思ってやっているんですけど。それがあるから続けていると思うし。会社も利益出さないと潰れるし、農家もそうですよね。やり方次第ですね」

 

実状を見つめつつも、やり方次第で未来への希望も生み出せるのだと力強く語る様子に、上三光集落の『これから』は後押しされているような気がします。

 

 

限界集落にならない為の活動


「今まで集落内で地域づくりをしてきた世代からバトンタッチして、この状態を上手く繋げたいです。限限界集落にならない為の活動をしていなかいと。その一つとして、上三光の人が外に行かないで、ここで働いていけるような法人を作れたらなと思っているんです」0u8a5934

 

本を読んで、地方での働き方や農業法人の事例を知るたびに、上三光集落でもできるのではないかと錯覚を抱くこともあると笑う、洋輝さん。しかし、「次は自分たちがやらないとね」と語る姿は、夢物語でも錯覚でもなく、自分の暮らす集落の行く末を本当の意味で考えているのだなという印象を抱きました。0u8a5953

 

 

洋輝さんの言葉からは、『今』を生きながら『これから』を考える姿勢を感じました。理想ばかりではなく、現実も見据えつつ、それでも未知の世界への好奇心たっぷりなお話を伺いました。地域おこし協力隊として来る方とも、楽しくお喋りして一緒に何かできたら良いなあと明るく話してくださる様子に、心強さを抱かずにはいられません。

地域おこし協力隊として、次世代に繋ぐための環境づくりを共に進める仲間が加わることで、この集落にどんな変化が起こるのか、勝手にわくわくしてしまいました。

新発田市地域おこし協力隊の募集ページはこちら 

日野正基
日野正基
イナカレッジ事務局
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