ムラに学ぶ、ヒトに学ぶ、自分らしいライフスタイルを実現する。
にいがた移住ストーリー「藤原智明」編

長いようで短い研修生活が終わりました。研修生活を終えるにあたって久しぶりにこの研修に参加する際に送った履歴書の志望動機を読んでみました。その頃から約1年が経ち、その時にここで学びたいと思っていたことが全て出来たわけではありませんが、僕がここで得られたことはこれから生きていくうえでの根っこの部分になることは間違いないです。

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それは、自然に囲まれたライフスタイルも然り、人間関係も然り、自然を愛すること、生物を愛すること、地球を愛すること、人を愛すること。

震災が起こった3月11日。その日は僕が大阪へ引っ越しをした日でした。これも偶然ではないと感じています。大阪の服飾専門学校への入学が決まり、一人暮らしをしながら通いました。小、中、高とサッカー尽くしで来た僕にとってはまったく未知の世界でしたので、勉強に明け暮れる日々でした。しかし、食事はおろそかになり、友達と遊ぶこともせず、どんどん狭い世界に入り込んでしまって、この精神でこのまま学生生活がもつのかなと気付いた時にはもうストレスで髪が抜けていたり、体が思うように起きなかったりという状況でした。

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1年生が終わる頃にはもう限界で、ここから立ち上がるにはどうしたらいいのかと思い悩み、自己啓発書を読み漁ったり、セミナーへ行ったり、とにかく自分のやる気を奮い立たせるためにいろんなことを考えました。学科長や先生に自分の思いを告げ、相談をして、意思を少しずつ固めていきました。休学か、夜間への編入か、アパレルで服飾の現状を知ったうえで勉強した方が身に入るのではないか。思い悩んだ末に、夜間へ行き、昼間にアパレルの会社で働くことにしました。中途半端は嫌なので、大阪のとにかく大きな企業傘下のお店で働こうと思い、当時の服飾に対する思いを面接で話しました。結果は不採用。なぜなのか。周りは大学生。僕は専門学校に通いながらも勉強したいと考えているのに。それなりの理由がある。そう思った。

そして2年生の夜間学科の授業1日目。最初の授業で学科長が話してくださった今の服飾業界の現状。ファストファッション、大量生産、大量消費、飽くなき物欲…。このままみんなと同じように学び、同じように就職し、そういった社会構造の中で働くのか。違和感がその瞬間すっきりした。もうその話を聞き終えた時には学校を中退しようと決心していた。作ることは好きでも、今自分がしていることの裏に大きなロマンを感じられないとやっていけない。不採用になったのは、面接官が僕のホントの心の内を見ちゃったからかもしれないなあ。

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中退してからは、清掃のアルバイトをしていました。清掃の現場にはいろんな人がいました。40代にしてリストラされた方、日本語がうまく喋れない為に清掃業ぐらいしかまともに働く口がない中国人、兄と比べられて育ち、引け目を感じ引きこもっていた方…。その方々とはいろいろ話をしました。みんなそれぞれの立場で苦しみながらも一生懸命働いていました。大阪の街を掃除しながら、前を通るのは少し前まで僕もそうだった学生さん、べろべろに酔っぱらいながら綺麗な姉ちゃんと歩くサラリーマン。平気でごみを捨てる人々。違う立場に立って物事を見てみると、気付くことはたくさんありました。大きなビルでスーツをビシッと着て働くサラリーマンに対し、清掃をしている人はなぜか目下に感じられることがある。どちらもお互いがいるからこそ仕事ができるというのに。どちらが上でどちらが下ということもないということ。お互いが尊重し合えば、もっと平和な世の中になるのかなと。まあそれ以前に、自分が働く場所くらいは感謝の念を込めながら自分で掃除したらいいのになって考えるけれど。正直、こんなことを考えながら働くのは苦しかったです。(笑)そして清掃業も、長時間労働でくたくたになって居眠り運転寸前のぎりぎりのところで働いているのが現状でした。日本にはこんな現状で働いている方々がたくさんいるだろうなと思いました。

 

そうして働く日々の中で飛び込んできた情報が東日本大震災でした。原発、放射能、被爆、何が真実の情報なのか分からない。無料配布されているTHE FUTURE TIMESという新聞を読んだり、環境に関する本を読んだり。どんどん自然に対して興味が向いていきました。そんな時目に飛び込んできたのが、この中越防災のホームページでした。募集が始まってから月日が経っていたので誰かがもう入っていると思いましたが、これしかないという気持ちでその時の想いを履歴書に書き、送りました。

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この研修生活ではたくさんの方々と出会うことができました。受け入れ先である木暮さんにはお知り合いが多く、いろんなお仕事をされている方々とお酒を酌み交わす機会にも恵まれました。こういった場に何回も交らわせていただき、今ではおかげさまでお酒にあまり酔わなくなりました。

囲炉裏で、火を囲みみんなでお酒を飲み言いたいことを喋る。こんな時間がすごく大切だと今では思います。最初の頃は、周りに同世代の人もいないし、政治やらなんやらの批判を熱く語る話を聞いているのは嫌でした。しかし、そういった皆さんの話を聞き、その話に関する情報が入ってきたとき、都会から離れたところから日本という国を見つめて何が問題であるのかを真剣に考えておられる方々の話がとても真実味をおびていると感じられるようになり、それからは皆さんの話を聞くのが楽しかったです。
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しかし、知識も経験も少ない僕はあまり話に溶け込むことはできませんでした。でも、自分より何十年も生きてきた方々の話を聞くことができたことは絶対にこれからの自分の糧になると思います。同世代の人と喋ることは楽しいことかもしれないけれど、こうやって年上の方々の話を聞くことは何よりも身に入ります。お酒の場では、政治、TPP、いじめ問題、医療問題、農業…様々な話題が出てきました。今まで全く興味がなかったことについても、話を聞けば自分がいかに、人が生きる上で大切なことに無知であったかに気付くことが多々ありました。しかし、話を聞いたところですぐに行動が変わったかといえばそうではないです。でも話を聞き1つでも知識も持てたことは大きいと思います。そうやって得た知識を、これからの出来事の中で自分なりに咀嚼して、そこでやっと、知識が自分自身の行動の糧になると思います。つまり、この研修で得たことは僕の中ではまだ物事の先っぽをかすめているだけで、これから自分がやりたいように進んでいく中で、この研修が活きてくると考えています。

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農家、カメラマン、そば職人、染色機織り職人、映画監督、芸術家、音楽家、海外で慈善活動をされている方など様々な職種の方々にもたくさんお会いしお話を聞く機会に恵まれました。いろんな生き方がありました。もちろん、この山奥で自然と調和しながらたくましく生きてこられたおじいちゃんおばちゃんにも出会いました。誰から何を学び、吸収したのかなんてそんな器用な人間ではないので何も言えませんが、そういった自分の道をまっすぐに歩んでこられた方々に出会えたことそれだけで十分に学びとなった気がします。本当に皆さんに感謝しております。まず、こんな扱いにくい若造を研修生として受け入れてくださり、時には叱り、時にはやさしいお言葉をかけ、たくさん迷惑をかけましたが最後までお世話してくださった木暮さんと奥さん、本当にありがとうございました。大雪で雪掘りをなかなか進めない僕に対し、本気で叱ってくださりました。生意気な僕は言い返したりして、結局僕が泣いてしまったりもしたのですが今となればいい思い出です。(笑)

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木暮さんが与えてくださった仕事では、時には嫌な思いをしたり、楽しい思いをしたり、常に全力とまでは言えませんが、汗をかいて働くことをとても気持ちよく感じました。木暮さんの背中からはたくさんのことを学び、気付かせてもらいました。僕のお父さんと年齢が同じで、お父さんと環境は違えども、同じ時代で育ってこられた方に学ぶことができたのも偶然ではないと感じます。

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木暮さんのような尊敬できる方のもとで修行できたことにとても幸せを感じています。本当にありがとうございました。

1人1人名前を挙げだしたらきりがないのですが、こういう地域にポンっと飛び込んできた僕にこんなにも優しく接してくれる方々がたくさんいました。人と人の距離を縮めて、心で、魂の声で話をしてくださり、今までの僕には全くなかった経験でした。とにかく、愛にあふれた方々に出会い、話をすることができたことをとてもうれしく思う。

心の底から感謝しております。ありがとうございました。
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そして僕は、これからもっともっと多くの世界を見て体験し学びたい。これからの出会いの中でいろんな自分を見ていきたいと考えるようになりました。だから、お金を貯めて海外へいくという夢ができました。今時、海外へ行くことは簡単だし、海外へ行くだけで何が変わるのだという考えもあるかもしれませんが、とにかくこの目であらゆる出来事を見て感じてきたいのです。ちっぽけな夢がいつか大きくなっていくことを信じ、これからも自分の理想へまっすぐに進んでいきたいと思います。

最後になりましたが、こういった学びの機会を与えてくださった、金子さん、日野さんをはじめ中越防災安全推進機構の皆様、ありがとうございました。感謝しております。これからもイナカレッジを応援します。本当にありがとうございました。

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藤原智明
藤原智明
十日町市中立山インターン生
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